2018年ブラジル経済に関して

 

こんにちは。
東京コンサルティングファームブラジルの濱咲克心です。
今週は、2018年ブラジル経済に関して記載します。

 

2018年のブラジル経済は、一言でいえば、”weak”な年、あまり成長したとは言えない年であったと考えられます。振り返ってみると、商業的な紛争や、ブラジル全域に影響を与えたトラック運転手のストライキなどもあり、また、国内市場の回復スピードもまだ遅く、求人数も多くなかった為、結果的にインフォーマルに働く人々が増えたとされています。また、今年は大統領選挙もあり、金融市場が不安定になるなど、大きな影響を与えました。

 

2018年の最低賃金の調整額は、過去24年間で一番低い水準となりました。また、ブラジル政府は年金改革を推し進めていましたが、INSS(社会保険庁)の財源に影響する為、これを断念しました。
次に、海外に目を向けると、アメリカ政府が輸入関税の引き上げを発表し、それはブラジルにとって、アメリカ向けの鉄とアルミニウムの輸出に影響を与えました。

2018年の良い出来事しては、ブラジル石油会社大手ペトロブラス(Petrobras)がブラジル株式市場における最大の企業として、株価が再び戻ってきたことです。

 

現在、ブラジルにおいて最も一般的な輸送手段は道路輸送とされていますが、2018年5月中旬におこったトラック運転手のストライキは、ブラジル国内全土に大きな影響を及ぼし、その結果、ブラジル産業、商業、農業など、ブラジル経済は巨額の被害を被ってしまいました。このストライキを止めさせるために、ブラジル政府は、ディーゼル油に対する減税要求を受け入れ、そして、当時のペトロブラス高官が辞職し、同社の株価は15%下落しました。

輸出業者にとっての朗報としては、アメリカ政府はブラジルに対する輸入関税を緩和すると発表しました。それによって、2018年の第4四半期、ドル相場は1米ドル、4.19ブラジルレアルを記録しました。

 

以上、2018年はストライキや大統領選挙など、ブラジル経済において大きな影響を与える出来事がありましたが、今年2019年はどのような一年になっていくのか、経済面、政治面など課題は多く予測が難しいですが、あらゆる面で少しでも好転してほしいと願っています。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
濱咲克心

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