ブラジルのコンプライアンスで抑えるべきポイント① 財務・税務編

その他

こんにちは。 

今回また次回の2回に分けて、ブラジルのコンプライアンスで抑えるべきポイントをお話させていただきます。今回は財務と税務に関する内容となります。なお、次回は法務、労務、そして人事についてお伝えをさせていただきます。

 

企業組織の経営において、コンプライアンスの強化はあらゆる側面からのリスク管理を行う上で重要な取り組みと言えます。特に海外子会社は日本からコントロールを行うことは地理的距離や時差などが要因しさらに意識的に取り組む必要があります。

 

〇 財務

ポイント:会計処理の妥当性。

ブラジルは税制が最も複雑な国とされており、財務に関わるルールそのものは複雑でなくとも、税務における処理が財務の観点に影響を与えて、結果的に誤った会計処理をしてしまう、あるいはより適切な会計処理が考えられ修正が必要というケースが往々にして出てきます。また、ブラジルは、ブラジル独自の会計基準(BR GAPP)が存在し、国際会計基準(IFRS)を基礎としているものの、完全には一致しておらず、継続して自国の会計基準を国際会計基準へと歩み寄るかたちで進めております。そのため、ブラジル国際会計基準を適応している、ブラジルに進出している多くの日系企業や現地の中小企業は、ブラジルで適応されているルールに変更はないか、適時チェックが必要です。(なお、ブラジルにて上場している企業は国際会計基準を適応することが義務付けられています。)

さらに、会計処理の妥当性を適時判断するには、会計レビューや財務監査を通じて、定期的に外部の第三者チェックを行うのが有益と言えます。

 

〇 税務

ポイント:税処理の妥当性。未払税金、過払税金の有無。

Tax Complexity Index(https://www.taxcomplexity.org/)によると、この団体での調査対象となった100か国中、最も税制が複雑な国という結果になっています。ブラジルでは、税金そのものの種類も多く、また、連邦税、州税、市税という分類がされることからもうかがえるように税金によって管轄する政府機関がことなります。似たような性質を持つ税金であっても、管轄する政府機関が異なれば、名前、税率、納税時期等が異なります。

また、ブラジル連邦国税局(Receita Federal)は過去5年分に関して、未払税金に関して徴収することができ、罰金や遅延損害金を含めて支払う必要がございます。反対に、過払い分の税金については、還付手続きを行うことで取り戻すことも可能です。

コンプライアンス、という観点では、まずは日々のオペレーションにおいて適切な処理を行うことです。さらに処理を行う際のチェック機能を取り入れることや第三者チェックを定期的に行うことで税務処理の精度を上げることができます。税務の部分において、業務のオペレーションが複雑であるのであれば、財務同様、必要に応じて外部の監査を行うなどして対策を取ることを推奨いたします。

 

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株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
田村彩紀

 

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