バングラデシュにおける産休制度

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループバングラデシュ拠点の谷之口大輝です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「バングラデシュにおける産休制度」についてお話していこうと思います。

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バングラデシュにおける産休制度

 バングラデシュでは、女性従業員の保護と福利厚生の一環として、労働法に基づく出産休暇(Maternity Leave)と出産給付金(Maternity Benefit)制度が設けられています。今回は、企業に求められる対応と法的ポイントを改めてご案内いたします。

出産休暇の基本ルール(一般企業対象)

  • 対象者: 入社後6か月以上勤務した女性従業員
  • 休暇期間: 産前8週間 + 産後8週間(合計16週間)
  • 対象外: 出産時点で2人以上の子がいる場合は、出産給付金の支給対象外(休暇取得は可能)
  • 就業制限: 産前10週以内の重労働・長時間立ち作業は禁止。産後8週間は就業不可。

出産給付金(Maternity Benefit)の概要

  • 支給期間: 出産前8週間+出産後8週間(合計16週間=112日分)
  • 支給要件: 出産時点で2人未満の子どもがいること
  • 金額: 直近3か月の実労働日に基づく平均日額賃金×112日分
  • 支給回数: 原則2回に分けて支給
    • 第1回:出産証明書提出後3営業日以内(8週間分)
    • 第2回:出産後の証明提出後、8週間以内に残り8週間分を支給

給付金の計算例:

 ある女性従業員が出産予定日の3か月前に以下のような賃金で働いていた場合:

  • 直近3か月の総賃金(実労働分):90,000タカ(1か月平均30,000タカ)
  • 実労働日数:60日

 平均日額賃金:90,000 ÷ 60 = 1,500タカ

 支給総額:1,500タカ × 112日 = 168,000タカ

 この金額を原則2回に分けて支払います。

必要書類と記録管理

 出産休暇を付与する際には、以下の対応が求められます:

  • 「Register of the Beneficiary of Maternity Benefit」(所定様式Form-19)を作成・保管
  • 記載事項例:
    • 氏名、従業員番号、年齢、入社日
    • 出産予定日
    • 支給額(16週分の平均賃金)
    • 支給日(2回分)

 現状、Form-19に関する労働局からの厳格な運用指導は多くありませんが、特に女性従業員の多い製造業等などでは労務コンプライアンス対応として、記録整備を推奨いたします。
 その他業種では、導入していない企業も見られますがリスク管理の観点から導入をお勧めいたします。

EPZ(輸出加工区)企業の特例

 EPZに所在する企業は、BEPZA法に基づき下記の特例が適用されます:

  • 産休は第2子までに限られる
  • 第1子:入社後10か月以上勤務で取得可能
  • 第2子:入社後2年以上勤務で取得可能
  • 産前産後それぞれ**6週間の休暇(合計12週間)**が付与されます

参考文書
バングラデシュ労働法(Labour Act) 第45~50条

バングラデシュ労働規則 (Labour Rules)第39・39A条

 

 今回は「バングラデシュにおける産休制度」について解説しました。

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