決算時に棚卸差異がある場合

今回は決算時に棚卸際がある場合についてです。

Q.1-12月会計期間の当社で決算対応をしておりますが、棚卸資産の実地棚卸時の数量と帳簿上の数量に差異が生じています。数量が多い場合、少ない場合でどのような対応が必要でしょうか。

A.今回のように棚卸資産の際が生じている場合には、実際の数量が多い場合には棚卸差異益等、少ない場合には棚卸減耗にて処理をするのが一般的です。

<実際の数量が多い場合>

在庫/棚卸差異益

<実際の数量が少ない場合>

棚卸減耗損/在庫

棚卸減耗については、原価性の有無により、売上原価、営業外費用のいずれかに区分、もしくは、雑損益で過不足の調整となります。 ただし、タイにおいては、棚卸減耗、雑損のいずれの場合においても損金不算入の取扱が一般的です。そのため、税務当局や監査人等の立会対応は本件では不要です。

また、棚卸減耗損については、VAT計算上みなし売上としての課税の取扱となる可能性が御座いますので留意が必要となります。

例えば、

簿価:THB 1,000

実価:THB 800

の場合、差額のTHB 200にかかる売上、例えば市場価格がTHB 300とすればTHB 300×7%=THB 21をVAT Report上売上にかかるOutput VATとして計上する必要があります。

つまり、みなし売上としてVATを計算するということです。なお、この場合にインボイスの発行は不要です。

市場価格については、通常同一/類似の商品の販売がある場合にはそれを参照します。みなし売上として申告する金額と同一/類似の商品の販売価格が大きく乖離する場合には、指摘を受ける可能性もありますのでご留意が必要です。

 

 東京コンサルティングファーム
長澤 直毅
nagasawa.naoki@jin-zai

 

以上

  

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2019-10-23

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