皆さんこんにちは。東京コンサルティング・ベトナムの山口です。
<Q>
2016年1月1日より施工となる社会保険法について教えて下さい。
<A>
今回の法改正による大まかな改正点は下記となります。
1. 強制加入社会保険の対象
一月以上三ヶ月未満に期間の限定された労働契約に基づき働いている労働者及びベトナムにいては、現行法では強制加入義務はありませんが、本改正により、強制加入義務の対象となります。また、就労許可(ワークパーミット)又は適格な機関により発行された実務証明を有する外国人労働者について、社会保険の加入が強制されることが定められました。
これにより、ベトナムにおいて勤務する日本人にも社会保険の加入が強制されることとなります。なお、外国人労働者は、健康保険についても2009年より加入が強制されていますので、2018年1月1日より、社会保険と健康保険の双方について加入義務が生じることになります。
これまで加入義務がなかった労働者の加入が義務付けられることにより、企業におけるコスト増が想定されるため、今後の実務の動向に留意が必要です。
2. 産休休暇
配偶者が出産した男性労働者に対しても休暇が認められることになりました。休暇日数は原則として5日ですが、特別なケースの場合には7日や10日の規定もあり、三つ子以上の場合は3人目以降1人につき3日追加されます。なお、本休暇は配偶者の出産後30 日以内に取得する必要があります。
3. 年金制度
年金支給額が2018年1月1日より平均月給の45%となります。平均月給の算出対象期間は、男性の場合、2018年退職者は16年間ですが、以後毎年1年ずつ増え、最大20年間まで拡大されます(2019年退職者は17年間)。一方、女性については2018年退職者からすべて15年間となります。また、支給額は、平均月給の45%から毎年2%ずつ増え、最大75%となります。加入年数は従来通り最低20年間必要です。
4. 病気中の受給額
病気中の手当受給額について、現行法では1 ヶ月を26 日として計算されていましたが、新法によれば、1ヶ月を24 日として計算されることになります。従って、従業員にとってはより有利なものになります。