こんにちは、ベトナム、ハノイ駐在員の浅野です。
現地法人の進出の準備中の企業様より現地法人の資本金の決定方法についてご質問を受けることがあります。
Q,弊社は、ベトナムの現地法人にIT事業を行う計画であり、最低資本金の規制はないようですが、どういった方法にて、資本金額を決定するべきですでしょうか。
A,ご認識のとおり、ベトナムで現地法人を設立する場合、銀行業、証券、保険業、人材紹介業など一部の事業形態を除き、最低資本金の規制はありません。
ただし、投資局への現地法人の設立申請の際に投資局により設立する現地法人の事業の実行可能性を審査されるために現実的に事業を行うことができる額を資本金として設定しなければなりません。よって、投資局が判断する事業が実行可能な資本金額を設定しなければなりませんが、投資局にて概ね200万円~300万円以上が現地法人を設立してのIT事業の実行可能な額と判断しているようです。よって、最低資本金の規制はありませんが、上記以上の額を設定している必要があります。
また、当然ですが、実際の事業開始後の資金繰りの観点からも資本金額の検討を行う必要があります。ポイントとしては、現地法人設立後の初期費用額の負担となります。近年、日本側の親会社が海外現地法人の費用負担を行っている場合に寄付金認定の指摘を受けるケースが多くなっています。オフィス内装施工費用の初期の人件費等を親会社にて負担することはリスクが高いといえます。よって、予め現地法人の負担とすることを想定し、それら費用を資本金額に織り込むことも考えられます。
そして、現地法人のメインとなる事業が親会社とのオフショアであれば取引の開始、請求及び売掛金の回収の時期等を考慮に入れることも必要となります。
法定の最低資本金以外に投資局の判断による事業内容ごと現地法人の設立許可に必要な資本金額の設定があるため、現地法人の設立を検討する場合は、こちらについても事前の調査が必要になります。
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