こんにちは、ベトナム、ハノイ駐在員の浅野です。
今回のブログは、ベトナムにおける賃金制度及び評価制度についてです。
ベトナムでは、人事評価において学歴と年功序列を重視する傾向が強く残っており、日系企業でも学歴及び年功序列に基づき評価を行っているケースが多くみられます。採用時、や配属等でも学歴と年齢は人事評価を決定する際の大きな要因となっています。
有望な人材の登用、活用をする際に、年功序列のみでは適正に評価が出来ないという課題あります。
従って、職能による評価等の導入により解決する必要がありますが、客観性の観点から、従業員が納得しやすい制度を作るなどの必要性があります。また、職能による評価導入に当たっては、まずは評価者の教育を進めないと理解が得られず、浸透しない(結局年功による評価になってしまう)リスクがあります。
年功序列の傾向が強く、また1人に対してあまり多くの職務を任せるのは一般的でなく、人を多めに入れてカバーする傾向が強いということも影響し、雇用契約書にも職務内容を詳細に記載をしているケースはあまり多くありません。部、課ごとの役割、工場ではチームレベルでの役割をまとめているケースがみられます。
雇用契約書にて職務内容を明記しなければ、業務の責任の所在があいまいになり、特定の業務を誰も自分の仕事として取り組まない、もしくは敬遠するといった問題が起こり得えます。日系企業が現地で業務管理をする場合には、日本人が現地人の業務管理をするケースが多くなりますが、言語の問題などで柔軟に業務管理を行うことが難いといった実態があります。その際に雇用契約書での明確な職務内容を記載し、雇用契約書を元に管理を行っていくことが有効となります。
雇用契約書で役割を明確にし、その役割を果たしているかどうかを人事評価制度で測っていくことで、客観性をもつことができます。
また、ベトナムの賃金制度の背景として、一度決めた給与を下げるのが一般的でない、ということがあげられます。年功序列の傾向が強いか成果主義の傾向が強いかは企業によって違いはありますが、成果主義を導入している会社においても、年功序列の特徴も一部加味されるのが一般的です。
特に小規模の会社で年功序列での評価、昇給を実態としている会社で成果主義を導入する場合には、成果主義と年功制の両方の特徴を併せた制度設計とする配慮が必要となります。
年功序列で給与を決める場合には昇給率を毎年パーセントでの設定し、各社員の元の給与を基準として毎年昇給します。一方、成果主義を入れる場合には賃金テーブルを作成して、評価結果をもとに昇給率、昇給額を決定します。