ベトナム人のマネジメント

労務
 こんにちは、ベトナム、ハノイ駐在員の浅野です。
今回のブログは、ベトナム人のマネジメントについてです。
 ベトナム人スタッフの特徴としては、広く知られていることとして、勤勉・手先が器用・日本人と国民性が似ている、と言われています。しかし、日本人とベトナム人の価値観の違いは非常に大きく、このことをそのまま鵜呑みにしてしまうことは慎まなければならないと考えられます。
 日本人とベトナム人の価値観の違いとしては、文化的な部分が大きく作用します。日本人とベトナム人の家族に対する考え方は非常に異なり、ベトナム人の家族の結びつきの強さは日本人の想像をはるかに超えるものです。ベトナムは、儒教の文化が根強いこともあり、家長を中心に結束しています。また、家族又は血縁ではないもの同士の関係性は希薄であると言えます。
 このベトナム人の家族に対する考え方を理解しないとベトナム人のマネジメントは非常に難しいものとなります。ベトナム人スタッフは家族を非常に大切に考えているといことを理解した上でスタッフの家族に対する気遣い等も非常に重要になります。日本人のマネージャーにこうした認識がないと、スタッフの会社に対する帰属意識も希薄なものとなり得ます。
 
 一例としてですが、主要なスタッフ自身及び親類の結婚式には日本人マネージャーが出席をする。スタッフの慶事の際には、会社として内規を作成しておき、手当てを支給するなどです。また、スタッフの家族との食事会も効果的です。スタッフが大切にしている家族とコミュニケーションの機会を設けることにより、スタッフとの信頼関係も非常に良好になります。また、家族と面識があるのであれば、日頃から、家族の様子を尋ねるなど、常に気にかける姿勢を見せることも非常に重要になります。
 こういった姿勢が生む効果としては、スタッフは、会社とただの職場としてみるのではなく、職場を第二の家族として認識してくれるということです。スタッフは日本人のマネージャー、代表者を家長として扱うようになり、働き方及び会社に対する帰属意識の部分でも大きく改善されます。
 日々の業務におけるマネジメントに関しても工夫が必要です。仕事が実際にできるかどうか別としてベトナム人は概して非常にプライドが高い国民です。いくら重大なミスを犯したとしても、人前で叱責することは、避けなければなりません。何かを指摘する際には、他のベトナム人スタッフに聞かれないようにミーティングルームなどにて、個別に指摘を行う必要があります。更に指摘の方法についても、なぜミスとされるのか、どう改善すればよいのかを論理的に説明をする必要があります。感情的な叱責を行うことは、今後の勤務態度の悪化、モチベーションの低下若しくは退職というリスクを発生することになります。
 また、日本人同士ですと特に言葉に出して褒めるという行為を行わなかったとしても問題が生じることはありませんが、ベトナム人の場合には、言葉に出して褒めるということを行わない場合は、それだけで、自身は評価されていないという心証を持ちます。
 よって、ベトナム人のマネジメントの際は、指摘は個別に行う、褒める場合は、日本人の感覚では大げさに、かつ人前で行うということがポイントとなります。

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