ベトナム有限会社の社員(出資者)の権利

 こんにちは、ベトナム・ホーチミン駐在員の嶋航です。

 本日は、有限会社でベトナムに進出する際の社員の権利について説明します。有限会社の社員とは出資者であり、出資者が組織であれば、親会社となり、個人であれば、オウナーとなります。二人以上有限会社と一人有限会社で若干異なり、統一企業法(41条、64条)によると、それぞれの権利は下記の通りとなります。

  【二人以上有限会社】(41条)

社員の権利

社員総会に参加し、議題提案する権利

出資比率に相当する議決権

社員名簿、取引状況を記載する帳簿、会計帳簿、年度別財務報告及び社員総会の記録帳簿と会社のその他の資料の一部また全部をチェック、調査、複製する権利

納税義務を果たした後の、出資比率に相当する利益の分配を受ける権利

解散・破産の際、会社の残余財産から出資比率に相当する財産の分配を受ける権利

増資する際、優先的に追加出資をする権利

統一企業法の規定に従い、出資持分の一部又全部を譲渡する権利

社長の義務の不履行により会社また社員が損害を受けた場合に、社長を告訴することができる権利

法律及び会社の定款に従い自らの出資分を他の人に譲り渡す権利

統一企業法及び定款に規定されるその他の権利

25%以上の資本、または定款に定められたそれ以下の資本を有する社員は、社員総会を招集することができる

75%以上の資本を有する社員は、上記の25%以下の招集権を定款に定めない場合は、当該社員がその権利を有する

  【一人有限会社】(64条) 

組織である所有主の権利

定款の内容、定款の改正・追加の内容の決定権

会社の成長戦略及び年間経営計画の決定権

会社の管理組織機関の決定権。各管理職の任命・解任・降格の決定権

会社の最新財務報告書の総価値の50%以上、或いは定款に規定された50%以下の比率に相当する投資計画を決定権

市場開拓、マーケティング、技術に関連する対策の決定権

会社の最新財務報告書の総価値の50%以上、或いは定款に規定された50%以下の比率に相当するローン借入契約、ローン貸出契約および定款の規定するその他の契約の決定権。

会社の最新財務報告書の総価値の50%以上、或いは定款に規定された50%以下の比率に相当する比率に相当する財産の売却の決定権

増資を決定権。会社の全部又は一部を他の組織・個人へ譲渡の決定権

子会社の設立および他の会社への出資の決定権。

会社の業務に対する監査、監督及び評価

会社の納税義務およびその他の財務上の義務を完了した後の配当の決定権

会社の再編、解散又は破産に関する決定権

会社の解散又は破産手続きを完了した後の財産価値金額の回収権

本法及び定款に従うその他の権利

個人である所有主の権利

定款の内容、定款の改正・追加の内容の決定権

会社の定款に異なる規定がある場合を除き、投資・経営計画、会社の内部管理の決定権

会社の全部又は一部を他の組織・個人へ譲渡に関する決定権

会社の納税義務およびその他の財務上の義務を完了した後の配当の決定権

会社の再編、解散又は破産に関する決定権

会社の解散又は破産手続きを完了した後の財産価値金額の回収権

本法及び定款に従うその他の権利

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