ホーチミン駐在員の嶋です。
発展途上国に赴任する場合、給与基準の違いから日本人は、個人所得税の税率が非常に高くなります。そこで何回かに分けて、ベトナムにおける個人所得税について説明していきます。
個人所得税を計算する場合、まずその対象となる人が「居住者」であるか「非居住者」であるか、つまりその対象者の居住性が非常に重要となります。この居住性により、所得税が課税される収入の範囲が大きく異なってきます。
居住者とは、ベトナムに年間183日以上滞在する人を指しており、税率は下記の表の通り、累進課税となっています。
所得区分と累進税率 |
||
月額(千VND) |
年額(千VND) |
累進税率 |
~5,000 |
~60,000 |
5% |
5,000~10,000 |
60,000~120,000 |
10% |
10,000~18,000 |
120,000~216,000 |
15% |
18,000~32,000 |
216,000~384,000 |
20% |
32,000~52,000 |
384,000~624,000 |
25% |
52,000~80,000 |
624,000~960,000 |
30% |
80,000~ |
960,000~ |
35% |
以下が、居住者の詳しい定義です。
(1)暦年、あるいは最初の入国の日から12か月の期間においてベトナム国内に183日以上滞在するもの(この場合、入国ならびに出国の日は合わせて1日で計算されます)。
(2)ベトナム国内に定常的な住居を有するもの。ここでの定常的な住居は以下のものとなります。
1、恒久的住居(外国人の場合、Residence Cardに登録された住居)
2、外国人の場合には、公安省により発行される居住証明あるいは一時的居住証明に記載された 恒久的住所
(3)課税年度で、契約期間が90日以上の賃貸住宅等(ホテル、事務所、作業場を
含み、契約の名義が個人であるか法人であるかを問いません)
なお、非居住者に該当すれば、個人所得税は一律給与所得に対して、20%となります。
このように最高税率35%となり、多くの日本人がこの対象となります。税率が高くなるため、手取りを日本と同じにするためには、給与を調整する必要があります。発展途上国における個人所得税は、日本より高くなることが一般的なので、注意が必要です。