こんにちは。東京コンサルティンググループトルコ支社の吉田瞬です。
前回はトルコの貿易における輸出入品目について書かせていただきました。
今週の記事でも、引き続き貿易をテーマに、取引相手国という観点から情報を共有させていただきたいと思います。
輸入相手国
【主要輸入相手国別金額及び比率】
順位 | 輸入元 | 2018年 | 2017年 | ||
金額(1000US$) | 構成比(%) | 金額(1000US$) | 構成比(%) | ||
1 | ロシア | 21,989,015 | 9.9 | 19,514,094 | 8.3 |
2 | 中国 | 20,719,063 | 9.3 | 23,370,620 | 10.0 |
3 | ドイツ | 20,407,277 | 9.1 | 21,301,869 | 9.1 |
4 | アメリカ | 12,377,681 | 5.5 | 11,951,744 | 5.1 |
5 | イタリア | 10,154,486 | 4.6 | 11,304,715 | 4.8 |
6 | インド | 7,535,612 | 3.4 | 6,216,639 | 2.7 |
7 | イギリス | 7,446,033 | 3.3 | 6,548,620 | 2.8 |
8 | フランス | 7,413,026 | 3.3 | 8,070,897 | 3.5 |
9 | イラン | 6,931,258 | 3.1 | 7,492,104 | 3.2 |
10 | 韓国 | 6,342,938 | 2.8 | 6,608,874 | 2.8 |
輸入先としては、ロシア、中国、ドイツがほぼ同列しており、3国で輸入額全体の3割近くを占めています。その後アメリカが続き、イタリアやイギリス、フランスなどの欧州諸国が上位に入ります。地理的に近いことが、欧州との取引額が多い理由として考えられます。しかしながら、輸入元として欧州の比率は低下しており、アジアをはじめ取引相手国が多様化しています。特にインドからの取引額の増加は近年目覚ましく、今後の二国間関係が注目されるところです。
輸出相手国
【主要輸出相手国別金額及び比率】
順位 | 輸出先 | 2018年 | 2017年 | ||
金額(1000US$) | 構成比(%) | 金額(1000US$) | 構成比(%) | ||
1 | ドイツ | 16,141,434 | 9.6 | 15,118,910 | 9.6 |
2 | イギリス | 11,109,630 | 6.6 | 9,603,189 | 6.1 |
3 | イタリア | 9,561,168 | 5.7 | 8,473,471 | 5.4 |
4 | イラク | 8,349,641 | 5.0 | 9,054,612 | 5.8 |
5 | アメリカ | 8,304,910 | 4.9 | 8,654,268 | 5.5 |
6 | スペイン | 7,710,390 | 4.6 | 6,302,135 | 4.0 |
7 | フランス | 7,288,192 | 4.3 | 6,584,199 | 4.2 |
8 | オランダ | 4,761,810 | 2.8 | 3,864,486 | 2.5 |
9 | ベルギー | 3,951,347 | 2.4 | 3,151,422 | 2.0 |
10 | イスラエル | 3,894,525 | 2.3 | 3,407,436 | 2.2 |
輸出に関しては、例年同様、ドイツが最大の輸出国であることに変化はなく、輸入以上に欧州各国との取引額が多いのが顕著に見受けられます。その理由として、1996年にEU(欧州連合)との間で関税同盟を締結しており、EUへの輸出の際に関税がかからないことが挙げられます。一方で、注目すべき点は一時躍進した中近東諸国への輸出が低下している点です。トルコは、全方位外交や貿易の多角化を図ったことにより、イラクやイラン、UAEといった中近東諸国への輸出が大きく伸びました。2012年当時には、輸出先として2位にイラク、3位にイランが入っています。従って、対米、対露関係や中近東情勢といった政治動向が、今後のトルコ貿易においても非常に大きな影響を与えることは明白です。
今週は以上となります。
次週は、「貿易」最終回として、日本とトルコとの取引について詳しく見ていきたいと思います。
他の内容につきましても、トルコ進出に関してご不明な点やご質問等ございましたら是非お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
東京コンサルティングファーム・トルコ拠点
吉田瞬
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参考資料
・トルコ統計局 (Turkish Statistical Institute) ‘Statistics by Theme’