【対米報復関税の引き下げ】

 

こんにちは。東京コンサルティンググループトルコ支社の吉田瞬です。
前回はトルコにおける外貨購入税の再導入について、お話をさせていただきました。

今週は今年の5月21日に発表された、対米報復関税の引き下げ措置について共有させていただきます。

 

今回、対米報復関税の引き下げに至った背景といたしましては、5月16日に米国政府がトルコから輸入される鉄鋼に対する関税を50%から25%へ引き下げたことに対して、トルコ当局が対応措置を取った形です。税率が引き下げられた対象品目は22品目となっており、トルコ国内に置いて、米国から該当品目を輸入されている企業の皆様におかれましては、今回の決定は1つ、追い風となるのではないでしょうか。

 

【税率引き下げの対象品目の一例】

石炭 自動車 機械機器
タバコ クルミ/アーモンド 石油化学品
未加工米 製紙 ウイスキー

*詳細は参考資料”JETRO ビジネス短信 添付資料”をご確認ください。

 

具体的な背景と今後
2018年3月、米大統領ドナルド・トランプ氏によって発表された追加関税措置への対抗手段として、トルコが報復関税措置を取ったことが発端となり、トルコと米国による関税をめぐる対立が表面化しました。2018年6月には、トルコ当局による米国人牧師拘束問題によって二国間関係がさらに悪化し、両国間では貿易摩擦が深刻化します。結果として、米国政府は牧師解放を目的としてトルコ側に圧力をかけ、鉄鋼に対する税率を25%から50%に引き上げました。この追加措置が実質的な経済制裁と捉えられ、トルコ・リラ急落の要因とされています。従って今回の米国の決定により、当時引き上げられた税率が本来の税率に戻された形です。

 

米国は鉄鋼に対する税率の引き下げ措置を行った一方、トルコを一般特恵関税制度(GSP)対象国から除外すると発表しています。関税の引き下げが歓迎される中、GSPからの除外が、今後トルコ経済にどのような影響を与えていくのか、今後の動向が注目されるところです。

 

今週は以上となります。
上記の内容以外につきましても、疑問点などございましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

東京コンサルティングファーム・トルコ拠点
吉田瞬

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limited, Tokyo Consulting Firm Human Resources Private Limited)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。


参考資料
JETRO https://www.jetro.go.jp/biznews/2018/07/5ad8401a7f4ab13d.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/05/caa46bca4aa5c006.html
JETRO ビジネス短信 添付資料
https://www.jetro.go.jp/view_interface.php?blockId=27182625
Istanbul Weekly
https://www.istanbul.tr.emb-japan.go.jp/files/000484289.p

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