こんにちは。
東京コンサルティンググループトルコ支社の小坂理加です。
現在トルコに進出している企業のほとんどが、コロナウイルスの影響によりに「リモートワーク」を強いられているのではないでしょうか。
トルコのリモートワーク事情はどのようになっているのでしょうか。
トルコでのネット普及率は2018年で90%を超え、ネットで仕事を行うことも容易になっています。
リモートワークについては、2016年5月6日の労働法番号4857(法律)で行われた改正によって初めて、法的に規制されました。
労働法第14条により規制下記のように定義されています。
「労働者が自宅または職場外において、雇用主が作成した組織の仕事を、遠隔でのコミュニケーションを通じながら職務を遂行するという原則に基づく取引関係である。」
それでは、リモートワークにおける従業員の義務は何なのでしょうか。
- 実際に職場に来ることなく、自宅または職場の外で自分の仕事を行う義務。
- 雇用主の指示に従う義務。
- 雇用主に対する忠誠義務。
- 従業員と雇用者間の雇用契約を適用する義務。
一方で、リモートワークにおける雇用主の義務は何でしょうか。
- 遠隔地での作業において、賃金支払い義務。
- 特別な理由がない限り、実際に職場で働いている労働者と離れた従業員に対して、異なる行動をとってはいけない義務。
- 労働安全衛生について遠隔地の従業員に通知し、必要なトレーニング、健康監視を提供し、作業に供給される機器に関連する必要な労働安全対策を講じる義務。
Q1.職場にいる従業員と、リモートワーカーの権利と義務は異なる点があるのでしょうか。
→法律から生じる当事者のすべての権利と義務は、物理的に職場にいる必要があることを除いて、リモートワーカーに対して変わることはありません。
Q2.リモートワークの契約はどのように行われるのでしょうか。
→リモートワーク契約は書面で行われます。
リモートワークの雇用契約には、仕事の定義、仕事のやり方、仕事の時間と場所、賃金と給与の支払い、雇用主が提供する設備とそれに関連する義務、雇用主と労働者とのコミュニケーションおよび一般的および特定の労働条件を確認するものである必要があります。
*法律では、遠隔作業の手順と原則、遠隔作業に適した作業、データの保護と共有に関するビジネスルールの適用、労働社会省が発行する規制によって決定されるものと規定されています。
Q3.リモートワーカーが遠隔作業中にケガや、病気になった場合はどうなるでしょうか。
→リモートワーカーが作業中に直面する可能性のある事故や病気は、労働災害/病気と見なされます。
従業員が遠隔地で作業している場合でも、労働安全衛生の専門家の下、従業員が労働安全衛生に関する必要なトレーニングを受け、健康監視を受けていることを確認する必要があります。
現在リモートワークが余儀なくされていることと思いますが、このような機会をきっかけに、今一度、雇用主、従業員間での労働契約を見直し、双方気持ち良く働ける労働規則等を設けてはいかがでしょうか。
今週は以上となります。
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トルコ支社 小坂 理加
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