財務諸表、年次活動報告

こんにちは、トルコ駐在員の田中です。

現在トルコでは雨期に入り毎日雨が降り続いております。そのせいか、次第に寒くなりコートが手放せなくなってきています。また、街中ではクリスマスソングが流れ、繁華街のタクシムはほぼ24時間、ネオンの光で包まれております。

トルコを観光・調査される方にとってベストシーズンは地域により多少ばらつきがありますが、だいたい4月から10月にかけてが良いと言われています。しかし、マーケット、有名観光地、ホテル等は混雑し値段も上がるため、オフシーズンの11月~3月(ちょうど今)値段が下がった時期を見計らい、浮いた予算でワンランク上の滞在をされるのもよいかと思います。ただし、街中は寒く雨や雪が降ことも多々あるため、徹底的な防寒備と共に雨具を携帯する必要があります。

さて、前回のブログではトルコの監査制度に取り上げました。そして、その中で独立会部監査では財務諸表(又は連結財務諸表)および年次活動報告の監査が行われると明記しましたが、では実際に財務諸表や年次活動報告では、どのようなものになっているのか今回のブログで見ていきたいと思います。

〈財務諸表〉
財務諸表は、トルコの会計基準委員会(TMSK:Turkish Muhasebe ve Denetim Standartlar Kurumu)によって制定されており、国際財務報告基準(IFRS:International Financial Report Standards)と一致するトルコの会計基準(TAS:Turkish Accounting Standards)に従って作成します。また、連結財務諸表を作成す場合や連結の有無の決定についても、TASが基準となります。このTASは2013年1月1日に施行され、2013年の事業年度の貸借対照表の期首残高は、TASに準拠して評価しなければなりません。
また、トルコの会計期間は、基本的には「1月1日から12月31日まで」とされており、課税期間も会計期間と同じ暦年となっています。ただし、外国企業の場合、財務省の許可のもとで異なる会計期間とすることが可能であり、例えば、外国企業が会計期間を4月から翌年3月まで(4-3月)としている場合、それに合わせることも可能です。

〈年次活動報告〉
年次活動報告書に最低限掲載しなければいけない事項については、産業貿易省により規定されており、企業活動の流れや財務状況等をあらゆる点において正確かつ公平に全てを記載したものである必要があります。また、年次活動報告書の記載事項の一つである、「企業の財務状況」については財務諸表をもとに評価され、今後の企業の成長や考えられるリスクについて取締役会の評価も記載しなければなりません。なお、決算後に生じた重要事項や企業の試験研究活動、取締役の賃金、ボーナス、さらには出張手当、福利厚生費、交際費、支払保険料などについても年次活動報告書に掲載する必要があります。

その他行わなければいけないこととして、3ヶ月以内に取締役会は株主総会にて財務諸表及び年次報告の提出をし、その後6ヶ月以内に会社独自が持つウェブサイト上にてそれら2つを開示する義務があります。(ウェブサイト上に開示するものとして他に、監査報告書・利益配当・株主総会決議内容があります。)

ちなみに、トルコのネット環境はまだまだ整っているとは言えず、このブログは、スターバックス(ネット無料のため)にて書いています。その店内で聞こえてくる曲すべてがクリスマスソングで、クリスマスが終わればすぐに年明けです。
つまり、あと1ヶ月ほどで年が明け、新会社法の発効となります。導入最初では多少の混乱が予想されますので、「そんなこと知らなかった」とならないよう事前の準備が必要になってきます。
税務・会計・労務につきまして、少しでも疑問やご質問等がございましたら、こちらまでご連絡頂ければと思います。

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以上

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