イスラム色が強くなるトルコ

こんにちは、トルコ駐在員の田中隆道です。

現在トルコは国民の約9割がイスラム教と言われており、イスタンブールなどモスク(イスラム教の礼拝堂)が多い場所では100メートルも歩けば、違うモスクがあるような気がします。また、1日5回モスクのミナレットに設置されているスピーカーからアザーン(エザン)という礼拝の開始を知らせる合図が大音量で流れます。そのため、イスラム教が国柄として色濃く見られそうなトルコですが、建国の父、アタテュルクによって政教分離が行われ、アルコールの飲酒について18歳以上認められていたり、海外では豚肉を食べたりと、他のイスラム国家とは一線を画しています。

しかし、今回のデモでも話題となりましたが、現首相であるエルドアン氏は新憲法の制定など行っており、先日5月24日にトルコ国会でアルコール類の販売や飲酒場所を規制する新法を可決させました。これは、モスクや学校の近くでのアルコール類の販売を禁止や午後十時から午前六時までの販売の禁止の新法で、この新法に対し野党は、与党主導で社会のイスラム色が強まる可能性を警戒しています。

ただし、今回のアルコールに対する新法について言えば、エルドアン首相の主張としてはアルコールの有害な影響から若者を守ることが目的としており、ヨーロッパの国々では普通に行われている政策です。また、今後、トルコから完全にアルコールを廃止することは無理だと考えられます。煙草に関しても、現在広告規制などが行われているが、トルコ人の多くが煙草を吸っており、アルコールもたしなんでいます。また、国としてもタバコ税や酒税を高く設定しており、完全撤廃は収入減を引き起こすとみられます。

東西の文化の交差点とよく言われ、アジアとヨーロッパに懸け橋であるトルコが今後、どのように世界に対し見せていくのかは重要な問題であると考えられます。ヨーロッパとしてブランドを築き、世界からの投資を受けるのか、中東としてアラブなどから支援を受け、エネルギーなどの確保や中東への投資を行っていくのか、長期的なビジョンとして考えられると思われるが、どちらにせよ現政党やエルドアン首相の采配によると考えられます。

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