こんにちは。東京コンサルティンググループトルコ支社の吉田瞬です。
先週のブログでは、トルコの空港と空路でのアクセスについてお話させて頂きました。
今週はトルコの法定通貨トルコリラの為替レートの変遷についてお話いたします。
トルコの法定通貨トルコリラの為替レートの変遷について
2001年2月の金融危機後、トルコは為替相場の調整方法をクローリング・ペッグ制(当局が基準為替レートを小刻みに変更する制度)から、変動相場制へ移行しました。同為替相場制度では、為替の変動幅が経済に悪影響を及ぼさない限り、中央銀行は市場に介入しないことを原則としています。変動相場制への移行直後はトルコリラが暴落し、急速にリラ安が進行しました。こうした事態に対応する為、トルコ当局は2005年、旧トルコリラ から新トルコリラへのデノミネーションを実施し、その結果、アメリカドルに対してトルコリラは上昇に転じ、為替が安定しました。しかし、2008年に勃発したリーマンショック以降、日本円の円高圧力が高まった背景も重なり、対円為替レートは下落の一途を辿ります。その後も、2016年のクーデター未遂事件や2018年のトルコショック等の発生により再び大幅な下落を記録し、一時は市場最安値を更新しました。
最近では、米トランプ大統領が2020会計年度における国防権限法に署名を行なったことで、今後の両国関係が更に悪化し、為替レートにも大きな影響が出ることが懸念されています。同法では、昨年トルコ政府が購入を発表したS400(ロシア製地対空ミサイルシステム)に関し、経済制裁を要求する内容も含まれており、両国の動向が一層注目されるところです。
為替レートは、2020年1月5日現在、1トルコリラ=18.14円となっています。(oanda.com)
今週は以上となります。
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東京コンサルティングファーム・トルコ拠点
吉田瞬
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