こんにちは。
東京コンサルティンググループトルコ支社の小坂理加です。
今週は【トルコでの資産の譲渡】についてお話しします。
資産譲渡とは、法的当事者が、もう一方の当事者への所有権を譲渡することをいいます。
資産譲渡について、トルコの法律制度では明確な規制はありませんが、複数の法律の中で、直接的または間接的に規定があります。
下記が、資産譲渡に関する主な重要条項です。
- トルコ債務法: 202条及び203条
- トルコ商法: 134-158条
- 執行及び破産法: 280条
- 公的債権回収手続法: 30条
- 競争法: 7条
今回は、こちらについて少し説明させていただきます。
資産および営業権の譲渡について、トルコ債務法6098番202条、203条に、下記のように規定されています。
債務法202条によれば
「資産または、資産及びそれの負債を含む事業を引き継ぐ被譲渡人は、資産及び事業の負債に関する債権者に対して法的責任を負う。被譲渡人が当該の譲渡を債権者に通知、または同様に営利事業に関する商業登記官報に発表し通知、その他、トルコ全土で流通する新聞に発表する形で通知された日付において、開始される。
先の債務者は2年間、被譲渡人と共に連帯債務者として法的責任を負う。前述の期間は、期限到来債務の通知、及び通知後に弁済期が到来する負債の期限到来通知の日付において、失効開始となる。このように債務を負担する結果は、外部の債務履行引受契約に起因する結果と同一である。発表による通告または開示の義務が被譲渡人により履行される場合を除いて、第2項に規定された2年間は失効が開始されない。」
同様に同法203条によると
「資産及び負債の相互引き継ぎにより、または一方が他社へ関与することにより会社が合併する場合、双方の会社の債権者は資産譲渡に起因する権利を有し、新会社から負債を受領及び回収できる。」
法人が事業(会社)を資産及び負債を含め引き継ぐ場合、この法人は当該会社の負債及び債権に対する責任を負います。
また、トルコ債務法202条及び203条から、譲渡人及び被譲渡人は、債権者への通告または通知を起点とし、それ以降2年間の債務返済に対して連帯責任を負います。
一方、特定の部門で支配的な状況を生むまたは、既存の支配的な状況を促進する等といった合併及び譲渡を禁止するために、法律4054番7条で競争の保護に関する規定も定められています。
一定の値を超える譲渡も上記の法律規定により、競争庁による許可が必要となります。
また、資産譲渡は、課税対象で法人税債務が生じます。譲渡が会社売却/譲渡の収入と見なされるためです。
資産譲渡は通常、資産の売却価格に基づく付加価値税の対象となります。付加価値税率は資産により異なりますが、一般税率は18%となっています。
しかし、付加価値税債務は、投資インセンティブ証券などの様々な方法により、減額される場合があります。
資産譲渡を行う上で、まず商法、債務法、合併等といった法律の規定を見直し再検討することで、望ましい結果を導き出すことができるではないのでしょうか。
今週は以上となります。
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トルコ支社 小坂 理加
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