皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ名古屋拠点の片山眞沙です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「【タイ法務】上場企業の開示規則とは? ~大量保有報告規制と適時開示規制をM&Aの視点
から解説~」についてお話していこうと思います。
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【【タイ法務】上場企業の開示規則とは? ~大量保有報告規制と適時開示規制をM&Aの視点
から解説~】
~大量保有報告規制と適時開示規制をM&Aの視点から解説~
拠点:タイ拠点
氏名:片山
M&A事業部兼 タイ拠点
]はじめに
現在、タイ赴任に向けて勉強を進める中で、「クロスボーダーM&A 新興国における成長戦
略 投資動向・外資規制」という書籍を読んでいます。
前回はタイのインサイダー取引規制について整理しましたが、その中で気になったのが
「開示規則」です。
タイでは、上場企業に対して投資家保護や市場の透明性確保を目的とした開示規則が整備
されています。
特にクロスボーダーM&Aでは、段階的な株式取得や買収後の組織再編を行う際に、開示義
務への対応が重要になります。
今回は、タイの開示規則の中でも「大量保有報告規制」と「適時開示規制」に焦点を当て
て整理していきます。
【本記事の結論:タイ開示規則のポイント】
大量保有報告規制
上場企業の株式を5%以上取得した際、およびその後5%の倍数(10%、15%、20%…)に
到達・超過、または下回るごとに、SECへの報告義務が発生します。
適時開示規制
M&Aや重要契約など、投資判断に影響を与える重要情報について、速やかにSET(タイ証
券取引所)へ開示する制度です。
日系企業への影響
クロスボーダーM&Aにおける段階的な株式取得や、PMIに伴う追加出資・組織再編におい
ても継続的な開示対応が求められます。
タイの開示規則とは?
タイの開示規則とは、上場企業に関する重要な情報を市場へ適切に開示し、投資家保護と
市場の透明性を確保するための制度です。
代表的なものとして、以下の2つがあります。
大量保有報告規制(Substantial Shareholding Report)
適時開示規制(Timely Disclosure)
どちらもM&A実務との関係が深く、タイ上場企業への出資や買収を検討する際には理解し
ておきたい制度です。
大量保有報告規制とは?
大量保有報告規制とは、上場会社の議決権付株式を5%以上取得した際に、投資家保護お
よび市場の透明性確保を目的として、取得日から3営業日以内にSECへ報告義務(Form
246-2の提出)が発生する制度です。
例えば、
上場企業の株式を6%取得した
12%まで買い増した
18%から14%へ売却した
といった場合には、一定のタイミングで報告義務が生じます。
また、その後は保有割合が**5%の倍数(10%、15%、20%…)に到達・超過、または下
回るごと**に追加報告(Form 246-2)が必要になります。
日本では「1%増減ごとの報告ルール」が採用されていますが、タイでは異なります。
そのため、タイでは5%刻みの節目で報告義務が発生することを前提に、M&Aや段階的な
株式取得のスケジュールを管理する必要があります。
適時開示規制とは?
適時開示規制とは、投資家の投資判断へ重要な影響を与える情報について、上場企業へ迅
速な開示を求める制度です。
具体例として、
・ M&Aの実施
・ 大型契約の締結
・増資や減資
・大規模投資
・ 経営陣の変更
・重要な訴訟の発生
などが挙げられます。
特にM&Aでは、基本合意や最終契約の締結段階で適時開示の要否を慎重に検討する必要が
あります。
日系企業で実務上論点になりやすいポイント① 段階的な株式取得
クロスボーダーM&Aでは、一度に株式を取得するのではなく、複数回に分けて出資比率を
引き上げるケースがあります。
例えば、
1回目:6%取得
2回目:12%取得
3回目:17%取得
というケースでは、10%・15%の節目で追加報告が必要になります。
そのため、買収スケジュールと開示タイミングを事前に整理しておくことが重要です。
日系企業で実務上論点になりやすいポイント② PMI時の組織再編
PMIでは、
・ 追加出資
・ グループ会社間の株式移転
・ 組織再編
・ 資本政策の見直し
などが行われます。
その結果、意図せず大量保有報告の基準を超過することもあります。
そのため、法務・財務・経営企画部門が連携しながら資本政策を管理することが重要にな
ります。
日系企業で実務上論点になりやすいポイント③ インサイダー取引規制との関係
開示前のM&A情報や大型契約情報は、インサイダー情報に該当する可能性があります。
例えば、
・ M&A協議への参加
・DD資料へのアクセス
・ 契約交渉への関与
などにより重要事実を知り得た場合、情報開示前の株式売買は規制対象となる可能性があ
ります。
そのため、NDAの締結だけではなく、情報管理ルールや関係者管理も徹底する必要があり
ます。
【FAQ】タイの開示規則でよくある質問
Q. 大量保有報告規制とは何ですか?
上場会社の議決権付株式を5%以上取得した場合、およびその後5%の倍数ごとにSECへ報
告義務が発生する制度です。
Q. 日本のように1%増減ごとの報告義務はありますか?
ありません。
タイでは1%増減ルールではなく、5%の倍数(10%、15%、20%…)ごとに報告義務が発
生します。
Q. 適時開示規制はM&Aにも関係しますか?
はい。
M&Aの実施や重要契約の締結は、投資家の判断へ大きな影響を与えるため、適時開示の対
象となる可能性があります。
タイ開示規則クイズ
【第1問】
大量保有報告規制は何を目的としているでしょうか?
① 主要株主の状況を市場へ開示するため
② 株価を上昇させるため
③ 法人税を増やすため
【第2問】
上場企業の株式を6%取得した後、追加報告が必要となるタイミングとして正しいものは
どれでしょう?
① 7%到達時
② 8%到達時
③ 10%到達時
【第3問】
適時開示規制と特に関係が深い制度はどれでしょう?
① インサイダー取引規制
② 労働法
③ ビザ制度
解答・解説
【第1問】の答え:①
主要株主の状況を市場へ適切に開示することで、投資家保護と市場の透明性を確保するこ
とが目的です。
【第2問】の答え:③
タイでは、日本のような1%増減ルールではなく、5%の倍数(10%、15%、20%…)に到
達・超過、または下回るごとに報告義務が発生します。
【第3問】の答え:①
M&Aや重要契約に関する情報は、開示前にはインサイダー情報に該当する可能性がありま
す。そのため、開示規則とインサイダー取引規制は密接に関連しています。
まとめ
タイの開示規則では、大量保有報告規制と適時開示規制が、市場の透明性と投資家保護を
支える重要な制度となっています。
特にクロスボーダーM&Aでは、株式取得のタイミングやPMI時の組織再編によって、継続
的な開示対応が必要になるケースも少なくありません。
また、日本の「1%増減ごとの報告ルール」と異なり、タイでは「5%の倍数ごと」に報告
義務が発生するため、制度の違いを正しく理解したうえで投資スケジュールや資本政策を
検討することが重要です。
私自身、現在はタイ拠点業務に加えてM&A事業部も兼任しているため、今後もタイを中心
としたクロスボーダーM&Aや海外進出実務について、現地で学んだことを引き続き発信し
ていければと思っております。
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向けに、会計・税務・法務支援、M&Aアドバイザリー業務を行っています。
タイ上場企業への出資やM&Aにおいては、外国人事業法(FBA)だけでなく、開示規則や
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相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的・会計・税務的助言を構成する
ものではありません。
タイの証券関連法令やSEC・SETの運用は改正される可能性があるため、実際の株式取得
やM&Aを検討される際には、最新の法令および行政運用を踏まえ、専門家へご相談くださ
い。
この記事に対するご質問・その他タイに関する情報へのご質問等がございましたら
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株式会社東京コンサルティングファーム 名古屋拠点
片山眞沙
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