シンガポールの役所はアプリも頑張ります!SingPassとCorpPassの変化に注意!

シンガポールで生活したことのある人なら、本人認証の際にワンタイムパスワードを求められることの多さを理解しているのではないでしょうか。

携帯電話、スマートフォン共通して、SMSで受け取ることになるショートメッセージに、6~8桁の数字が書かれているものを入力すると、それをもって本人と認識して各種手続きができる仕組みになっています。

ウェブサイト自体にもIDとパスワードを入力することになりますので、ただ携帯を人にとられただけでは悪用されることはなく、セキュリティーとしてはしっかりしています。

しかし、アドミンスタッフとして働いてみると、いちいちログインするたびにSMSを確認するのは手間なものです。

そんなシンガポールの認証事情を今日はお伝えします。

 

SingPassとは?

シンガポールでEPなど、就労許可(Work Permit)を取得している外国人には、等しく個人のIDとして登録されるFIN番号が発行されています。

また、シンガポール国籍・永住権保持者にももちろん同様のIDが存在しており、名前をNRICといいます。

こうした個人のIDは、シンガポールで日本の税務署に相当するIRASによって用いられる、税務管理番号としても利用されます。

そこから紐づけて、このIDにパスワードを持たせたのがSingPassです。他の人に知られてはいけない給与情報などを入力し、税務申告をする際のログイン情報として利用します。

その機密性の高さから、初回ログイン時には登録住所まで配達される郵便物に書かれたパスワードを入力する必要があり、パスワードを忘れるたびに同じような手間が生じます。

 

CorpPassとの違いは?

今年2018年9月までは、個人の認証が必要なシンガポール政府関連の手続きを、ほぼすべてSingPassで行うことができました。

ところが、会社の情報を操作する職権は別に与えられることが正しいという考えから、会社情報にID番号を結び付けた、CorpPassというシステムが一般化されています。

社内で一人、代表者としてAdmin権限を持った人が任命され、その人が権限を付与することにより、各種手続きの際ログインが可能になるというシステムです。

税務、労務、人材雇用など多くのサービスがCorpPassなしではできなくなっており、SingPassと違ってACRAに登録されている役員であれば即日IDを発行できますが、いざというときにパスワードを忘れてしまわないよう、注意が必要です。

 

どうしてアプリがいるの?

さて、このSingPassとCorpPassは、どちらもワンタイム認証のためにSMSを利用するシステムになっています。

シンガポール国外にいると受け取れなかったり、受信するだけで出費になることがあるSMSに紐づけられているのは必ずしも便利とは言えないということで、同じワンタイム認証を行った端末であれば、1台だけスマートフォン・アプリでの認証を可能にしようという動きが、今年実を結びました。

 

アプリ名前「SingPass Mobile」

シンプルに名付けられたこのアプリ、デザインもシンプルで、白地にSingPassのマークがついているだけです。

iOS、Androidともにダウンロードすることができ、開くとSingPassログインの時と同様の情報を入力して設定を完了させることを求められます。

ログインが必要なページには、右上にQRコードによるログインの選択肢ができており、そこをクリックしてアプリで読み取ると、ログイン情報を入力することなくワンタイム認証に進むことができます。

また、SMSによる認証自体も省略することができ、SMSを受け取る代わりに携帯の側であらかじめ指定した6桁の数字を入力すると、それだけで認証が完了します。

 

「CorpPass Mobile」もある?

同じように、CorpPassの機能を持たせたCorpPass Mobileも発行されています。

SingPass Mobileと同様、SMSによる認証を省略することができるアプリですが、こちらはシンガポールに居住し、すでにSingPassのIDを持った人には、利用できないように設定されています。

重複を避け、2台以上の端末からログインされることがないようにコントロールされているということができます。

政府が主導して柔軟にテクノロジーを受け入れ、スムーズな運用ができるようになりつつあるシンガポール。ユーザーとしても、時代遅れにならないよう、アンテナを張っていきましょう。

 

 

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