皆さん、こんにちは。シンガポール駐在員の岩城です。
Trade and Industry (Trade) Minister、 Lim Hng Kiangは国会にて、大きな後退の見込みはないとはいえ、シンガポール経済が今後の四半期期間中、マイナス成長となる可能性があると伝えました。
直近の経済データから見られる数字の悪化から、経済後退が迫っているのではないかという懸念に対し、Mr.Limは「我々の基準となる予測では、大きい経済後退では無いが、四半期ベースでマイナス成長となる可能性を排除することはできない」と述べています。
上半期に比べると、下半期におけるGDP成長率が2.1%ほどに落ちるとみられています。
Mr.Limは国際経済の成長に連れ、政府は継続して状況をよくモニタリングし、経済の後退に対して対策に努めると述べています。
業績悪化を受けている企業が援助を求められるSME Working Capital Loan Schemeのような制度と共に、政府による支援も検討されており、企業としては今後のシンガポール政府の企業支援に注視する必要があります。
Mr Limはシンガポールを“小さい開放的な経済”であると説明しながら、それはシンガポールが2008年度経済危機など、外部的な要素に影響されざる終えない状況と、経済の減退を示唆しています。
短期的には、世界経済の減退は先進国の不振、中国の成長の衰え、オイルの値下げにより続くと見られています。また、6月に行われたUKの脱EU投票はグローバル成長に不確実性を凋ませています。
Mr. Limはグローバル経済の逆風の影響で、Finance and Insuranceや卸売りなど、外部志向の業界は停滞しており、これらが引き続き逆風の影響を受ける可能性があります。製造業においても、この2四半期の成長にも関わらず、外需の不振により業績が悪化しつつあります。Marine and Offshore Engineering業界やPrecision Engineeringなどに所属している業界はオイルの値下げによる不振が続くと見られており、内需志向のFood ServicesやReal Estate業界は現状を維持する状態になるとみられています。
但し、観光客の数が増加するにつれ、観光業界は前向きな影響を受けています。Education, Health and Social Services, ITやInformation Services業界の成長に基づき、Information and Communication業界などのその他の業界においては成長に弾力を受けることになるでしょう。
今後、グローバル経済の衰退にあっても、「生産性や革新によるもっと継続性のある成長のため努力を努める事」が重要となってきます。。
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