13ヶ月手当について

労務

こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。

今回は、フィリピンの特徴的な従業員の手当てをご紹介いたします。日本では、賞与が年2回あることが、多数意見だと思いますが、フィリピンで賞与は一般的ではありません。それよりも一般的なものとして、今回ご紹介する13ヶ月手当があります。日本の賞与の場合は、法律で取り決められていませんが、この13ヶ月手当については、雇用者は従業員に支払い義務があります。

13ヶ月手当はThe 13th-monthly payといって例年12月24日前後に支払われます。金額としてはその名のとおり、基本給の1か月分です。2回に分けることも可能です。

さて、支払日にどのようなイベントがあるかというと、皆様のお察しのとおり、クリスマスがあります。フィリピンはアジアでも珍しく国民の90%程度がクリスチャンだといわれています。ここでは、クリスマスは非常に大切な行事です。俗に言われることですが、フィリピンのクリスマスは世界で一番長いようです。といいますのも、ここでは9月ころからクリスマスの準備が始まります。10月には街はクリスマスムード一色です。そして12月にクライマックスを迎えます。
この13ヶ月手当が始まる以前から、一般的ではない賞与という形式をとっていた会社もあったようです。このような慣習のない、我々日系企業にとっては負担に感じられるのですが、所定日までに支給しなければ、罰則規定があり、加えて労働者側の不満も買ってしまいます。

なお、13ヶ月手当については、最高で3万ペソ(約6万円程度)まで給与所得者の所得税が免税となります。この点からも、政府として本手当を重要視していることが伺えます。
話がそれますが、キリスト教の影響だとして私個人が驚いたことが2つあります。1つはショッピングモールにも教会が併設されていることです。みな、買い物袋を下げて、続々と入っていく姿は印象的です。また、コンドミニアムやホテルなどで13の番号がつく部屋は一切ありません。これも不吉な数字としてみなされているからだと思われます。

表面的なことばかりですが、このような違いを日本の慣習に強制的に併せるのではなく、理解し、1つずつ解決する姿勢が求められるのだと思います。フィリピンの方は、みな話し合いによる解決、打開策を出そうと好意的であることが一般的です。

以上

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