- 2022-8-22
- その他
みなさんこんにちは!
東京コンサルティングファーム・フィリピン支店の古谷桃可です!
今回は、フィリピンで電動自転車を運転する際に免許は必要なのか、
基本的な交通規則を含めて紹介します。
まず初めに、フィリピンでの交通に関する基礎知識をお伝えします。
フィリピンへ長期滞在や駐在される方で、車やバイクの運転を予定している方は、有効な国際免許証を持っていたとしても、フィリピン到着から90日後からでしか実際に運転は出来ません。
すぐに運転をする必要がある人については、LTO Office(日本でいう陸運局)の窓口に行き
ローカル免許証に切り替えることができます。
その場合、自国の免許証期限が有効であれば、試験等を受ける必要はありません。
次に、フィリピンの基本的な交通ルールについてです。
日本を含め多くの国では右ハンドルの車でも左ハンドルの車であっても、走行する道を遵守さえしていれば自由な国が多いですが、フィリピンで運転する際には必ず
右側レーンの走行かつ、左ハンドルの車でなければなりません。
また、運転中の携帯機器の操作も2017年から固く禁止されています。
マップ機能などを使用する際は、Hands-freeの状態にして使用することが義務付けられています。
日本や他国と同様、フィリピンでも飲酒や居眠り運転は禁止されています。
フィリピンで特徴的なルールとしては、The Unified Vehicle Volume Reduction Program(UVVRP)、
通称コーディングというものです。
これは、過度な交通渋滞を避けるために首都圏であるマニラの開発局が定めたシステムで、
車のナンバープレートに書いてある番号によって走行できない曜日が決められています。
例えば、ナンバープレートの最後の桁に載っている数字が1または2の場合、
毎週月曜日はその車を運転することができません。
土日や祝日はコーディングの対象となりません。
また、地域によってもコーディングが適用される時間帯が異なるため、町と町を行き来する場合に走行者は注意が必要です。
ちなみに東京コンサルティングファームのオフィスがあるマカティもマニラ首都圏内に位置するので、朝の7時~夜の7時までがコーディングが適用され、週に1日はその時間帯に市内を走行することはできません。
最後に、フィリピンでは無免許での運転、運転中に免許証を手元に所持していない場合は、
3,000ペソの罰金が科せられます。
ヘルメットが義務付けられている車両の運転中に着用を怠ると、
初犯で1,500ペソ、2回目で3,000ペソ、3回目で5,000ペソ・・・というように、
回数ごとに罰金の支払い額も増加します。
日本とは違い、フィリピンの交差点には多くの警察や警備員が常にいるため、厄介事を避けるためにも交通違反には十分注意が必要といえます。
さて、フィリピンの交通に関する基礎知識が分かったところで、
電動自転車等に適用される交通規則をご紹介します。
フィリピンで電動自転車またはEバイクと広く呼ばれるものは、2~3輪車の形状で
電動モーターが搭載されたものを示します。
パンデミックによって公共交通機関での移動が制限されたのと、石油燃料価格の高騰
などを背景にEバイクを通勤や日常生活での買い出しなどの場面で使用する人が増えました。
このようにEバイクに乗る人が増えるとともに、Eバイクを含んだ交通事故の数も増えていることも事実です。
そこで、Metropolitan Manila Development Autority(メトロマニラ開発局)とメトロマニラの交通局は新たに行政命令(AO)2021-039を発令しました。
この発令内容は主に、国内でのEバイクの使用に関する規制が記載されているとともに、どのような乗り物が交通規制対象になるのか、免許証が必須となるのかなど細かく記されています。
下記表で簡略的な内容をご確認ください。
電動 モビリティ スクーター | 近所などの短距離移動用。 内部規制対象の私道または 歩行者用道路、自転車用レーン のみで走行可能。運転免許証と 車体登録は不要。 | |
電動キックスクーター | 地元地区内の自転車用レーンのみで走行。 運転者はヘルメットを被る必要がある。 運転免許証と車体登録は不要。 | |
カテゴリーL1a 最高時速25㎞ の走行車 | 地元地区内の自転車用レーンのみで走行。 横断する時のみ国道やその他の道路も走行可。 運転者はヘルメット着用必須。 運転免許証と車体登録は不要。 公共交通機関としての使用は禁止。 | |
カテゴリーL1b 最高時速 26~50㎞の走行車 | 地元地区以外でも道路の端を走行し、 大通りや国道ではハザードを付け横断する のみであれば走行可。 運転者はヘルメット着用必須。 運転免許証と車体登録は不要。 公共交通機関としての使用は禁止。 | |
カテゴリーL2a 最高時速25㎞ の走行車 | 私道または地元地区内のみで走行し、 大通りや国道ではハザードを付け横断 するのみであれば走行可。 スピードの観点から自転車用レーンを使用。 運転者はヘルメット着用必須。 運転免許証と車体登録は不要。 公共交通機関としての使用は禁止。 | |
カテゴリーL2b 最高時速 26~50㎞の走行車 | 地元地区以外でも道路の端を走行し、 大通りや国道ではハザードを付け横断 するのみであれば走行可。 運転者はヘルメット着用必須。 公共交通機関としての使用は禁止。 運転免許証と車体登録は必須。 | |
カテゴリーL3 電動車両 (エレクトリック オートバイ) | どの道路でも走行可。ただし、走行 スピードが速い一部高速道路では規制有。 ヘルメット着用必須。 オートバイの運転免許証必須。 公共交通機関としては既存の法律と規制に 則って使用可。 | |
カテゴリーL4、L5 電動車両 (エレクトリック 三輪車) | 地元地区以外でも走行可。 運転免許証必須。 公共交通機関としての使用可。 ヘルメットの着用は必要なし。 走行が制限された高速道路も一部あり。 | |
カテゴリーL6、L7 電動車両(e-Quad) | 私道、国道問わず走行可。 運転免許証必須。 ヘルメットの着用は必要なし。 使用または、公共交通機関としての使用可。 |
基本的に、カテゴリーL2b、L3、L4、L5、L6、L7の走行には運転免許証が必要となります。
言い換えれば、最高時速25㎞以下の電動自転車や電動スクーターの須高には運転免許証は求められていません。
その代わりに、ヘルメットの着用が義務付けられており、走行できる範囲が規制されているので注意が必要です。
以上、今回はビジネスと直接関わりのない話題でしたが、駐在や視察でフィリピンに訪れる際は、こういった知識も事前に持っておくと安心です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
〈参考文献〉
https://auto.yugatech.com/news/mmda-modified-number-coding-exemption/
https://www.blog.book2wheel.com/2017/11/25/motorbike-driving-rules-philippines/