フィリピン 年次コンプライアンス特集《会計編》

会計

こんにちは、Tokyo Consulting Firmです。

今回は、フィリピンにおける、年次コンプライアンス《会計編》ついて、要点をまとめて参りたいと思います。

 

本ページは会計編となっておりますが、別ブログでは、法務編・人事労務編とご用意しておりますので、併せてご確認いただけますと幸いでございます。

昨今、国や地域で定められた決まりを守れず、罰則金や追徴課税を受けてしまう日経企業様も少なくはないのですが、一時的に少額であれ、罰則金や追徴課税をお支払いしたとしても、不要は支出であることに変わりはございません。

また、少額とはいったものの、こういった一時的な支出だけではなく、来る税務調査や地方政府による監査の際に、私的をされてしまい、結局多額の追徴課税がきてしまった。。。というような事態を防ぐためにも、しっかりとコンプライアンスを内容を把握し・遵守できるようにする。という管理が必要になってくるかと存じます。

 

今回は、様々な年次コンプライアンスの中から、《会計・税務》に関する内容をお届けして参りたいと思います。

まず、フィリピン国内に法人を持つ企業が行わねばならない主なものとしては以下の通りとなります。

 

  1. 各税金の年次申告及び支払い
    (法人税・給与に関する源泉税・個人所得税など)
  2. 法定監査
  3. 特別監査済報告書の提出
  4. 手書き帳簿又は LooseLeaf の提出
  5. Form1709 への関連当事者間取引の開示(←New

 

今回、会計・税務上で必要なコンプライアンス特集の中でもポイントとなってくるのが、比較的新しいもの(2020年改定)である《Form1709 への関連当事者間取引の開示》となって参りますが、先ずは順を追って、説明して参りたいと思います。

 

《1.各税金の年次申告及び支払い》

年次で必要な各税金の申告及び納付のうち、3つ主な例を上げさせていただきます。

 

・法人税(From1702R)・・・・期末後 105 日以内に申告

【※】通常、繰越欠損金(NOLCO)は 3 年間の繰越が可能ですが、昨今の新型コロナによる影響を鑑みて、税制面での支援策を拡大しようという目的から、2020 年及び2021 年に発生した欠損金は、5 年間の繰越が可能となりました。

 

・給与に関する源泉税の年次申告(From1604CF 及び Alphalist)・・・毎年 1 31 日まで

確定申告とは異なるため、毎月の給与以外の所得の有無に関係なく申告が必要です。

 

・駐在員の方の個人所得税確定申告(Form1700)・・・・翌年の 4 15 日まで

【※】フィリピン現地での給与しか所得がない場合は、毎月の給与源泉税申告及び

上記の年次申告のみで十分ですが、それ以外に所得(日本本社支給の、フィリピンで働いた ことに対する対価等)がある場合には、こちらの確定申告が必要となります。

 

《2.法定監査》

基本的にほとんどの現地法人・支店・駐在員事務所は、年次の法定監査は義務付けられてお り、外部の監査人の監査を受けた決算書を SEC(証券取引委員会)及び BIR(内国歳入庁) へ提出を行わなければいけません。

法定監査を受けた監査済み財務諸表は、法人税年次申告書とともに、BIR へは決算日から105 日以内に、SEC へは 120 日以内()に提出することが義務付けられております。
(※12 月決算の会社の場合は別途 SEC のガイドラインによって、SEC への登録番号やラインス番号ごとに提出スケジュールが定められております。)

 

《3.特別監査報告書の提出》

また、年間売り上げが更に 500 万ペソ以上の企業の場合は、GFFS(General From for Financial Statements)を SEC へ提出する必要があります。
SEC への監査済み財務諸表の提出から30 日以内が期限でございます。

【※】その他、業種によっては SEC より特別フォーマットでの監査報告書を提出しなければならないこともございますので、要注意です。(金融業など)

 

《4.手書き帳簿又は LooseLeaf の提出》

フィリピンにおいては、手書きの会計帳簿(Manual Books)をつけることが義務化されており、また、この会計帳簿の場合、帳簿を使い切った場合に BIR への提出が必要になって参ります。

また、手書き帳簿の代わりに、LooseLeaf または CAS(会計システム)の使用を BIR に登録されている企業の場合は、1 年ごとに、決算日から 15 日以内に BIR へ提出し、確認を受ける必要がございます。

 

《5.Form1709 への関連当事者間取引の開示(←New)》

今回の大きなポイントの一つである、関連当事者間取引の開示についてのご案内となります。

2020 年 7 月 8 日付で国内歳入庁(BIR)により発令された新たなコンプライアンスとなり、年次確定申告のタイミングで From1709 という新たな申告フォームへの年次申告及び移転価格文書の添付が求められることとなりました。

 

通常、課税年度が終了し、法人税確定申告から 15 日以内に BIR フォーム 1709 へ関連当事者間取引のと開示と共に、移転価格文書を含む必要書類の添付を行わねばなりません。

また、Form1709 への申告に関しては、関連当事者間取引のない現地法人や、支店、駐在員事務所といった法人形態の場合でも、申告自体は必要となって参りますので、ご注意ください。

 

関連当事者の定義としましては、Key Manageent Personnel(経営に大きな影響を及ぼす人)というのも含まれておりますので、この Key Manageent Personnel へ報酬を与えない企業はほぼないため、実質的には全企業がこの申告書の提出が求められてくるといっても良いでしょう。

2020 年3月度の決算に決算を迎えられた企業様に関しては、Form1709 の申請期限が 12 31 となっております。また、2020 12 月に決算を迎えられる企業様に関しましても4 30 日と、本来の期限から延長する形となっております。

 

次年度以降は、通常の期限である

  • 7 15 日(3 月決算の場合)
  • 4 15 日(12 月決算の場合)

となりますので、予めご留意くださいませ。

 

弊社は、フィリピンへの進出から、その後の会計・税務・労務・法務まですべて対応しておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。


~▶YouTuberになりました!~

弊社YouTubeチャンネル『久野康成の毎日が有給休暇!!』を開設いたしました!

「久野康成の毎日が有給休暇!!」では、代表の久野が作った365の金言を
『久野語録』として日めくりカレンダーにまとめ、内容を毎日解説していきます。

チャンネル名にある通り、「毎日が有給休暇」になるような生き方のツボとコツを発信しておりますので
ぜひ一度ご覧頂ければと思います!

また、代表の久野が執筆した
『国際ビジネス・海外赴任で成功するための賢者からの三つの教え 今始まる、あなたのヒーロー』
の解説を、執筆者自らが行っている「賢者からの3つの教え」シリーズもぜひご覧ください!


飯田 愛衣未
株式会社東京コンサルティングファーム

 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。
該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても、情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Pte. Ltd.)は一切の責任を負いません。ご了承ください。

関連記事

ページ上部へ戻る