【フィリピン税制改革第2弾!~CITIRA②例を用いて~】
こんにちは。東京コンサルティングファームセブ支店の奥墨愛美です。
前回はCITIRA(法人所得税およびインセンティブ合理化法)の概要についてお伝え致しました。
今回は現行の優遇税制であるITH後の特別税率について、ケース1、ケース2の二種類の例を用いながらご紹介致します。
PEZA製造業の企業で、売上高1億ペソの企業をベースに、製造業(中小企業)の平均利益率を下記として考えてみましょう。
売上総利益率:約25%
税引前利益率:約4%
<ケース1PEZA>
売上総利益=25,000,000ペソ(100,000,000×25%)
課税額=1,250,000ペソ(25,000,000×5%)
<ケース2Non-PEZA>
税引前利益率=4,000,000ペソ(100,000,000×4%)
課税額=1,200,000ペソ(4,000,000×30%)
以上を比較すると、Non-PEZA企業の納税額の方が少ないことがうかがえます。
もちろんどのような企業にも当てはまるケースではないので一概にまとめることはできませんが、このようにPEZA特別税率の恩恵をあまり感じていない企業が一定多数存在する、というのもまた事実です。
更に、法人税率が20%まで低減されるとしたら、その納税額にかなり正の影響を与えることが予想できるのではないでしょうか。
CITIRA法案では現行の優遇措置撤廃が主にとりざたされ、特にPEZA製造業の方々に多大なる負担を強いる側面がございます。このことから、外資企業の物作りビジネスが衰退していくことが予想され、今後ITを中心としたサービス業が台頭していく、もしくはすでにその頭角を現してきていると言えます。輸出型ビジネスだけでなく国内マーケットへの販売にシフトされていくことでしょう。
ITH後特別税率が撤廃され法人税率が20%まで低減すること自体は、ともするとネガティブなイメージとして捉えてしまいがちですが、フィリピン経済にとって、PEZAに該当しないような業種の企業の誘致につながるだけでなく、国内企業の税負担緩和により包括的な競争力の向上も期待できるため、市場規模自体が拡大していくのではないだろうか、といった視点も必要なのかもしれません。
本ブログでは税制改革第2弾、CITIRAについてお伝えして参りました。
税制改革は第4弾まで予定されているため、今後のフィリピンビジネスにおいてご相談等ございましたらお気軽にご連絡ください。
東京コンサルティングファーム フィリピン・セブ拠点
奥墨愛美