フィリピンでの社員の解雇②

 

TCFフィリピン駐在員の日比野です。

 

本日は先週に引き続き、大きな問題となりやすいフィリピンでの解雇について触れます。企業活動を行う中で、やむを得ず解雇する場合に、正社員の解雇において、適正手続きとして会社はどのような手順を踏めばよいのかについて紹介します。

 

解雇の理由が適切なものであることを前提として、最低限以下の手順を踏む必要があります。

 

・解雇通知書の送付

会社が作成してサインをした後、従業員がサインをします。この通知書にて、次のステップである弁明の機会の連絡を行います。

 

・解雇対象の従業員への弁明の機会の提供、もしくは従業員の作成した弁明書の受取

弁明の機会を設けたのであれば、後日議事録を作成し、双方のサインが必要です。また、弁明書の提出を行う際にも双方のサインが必要です。

 

・再度解雇通知書の送付

上記弁明の内容を受けて、解雇が正当であることを再度通知します。会社が作成してサインをした後、従業員がサインをします。

 

しかしながら、上記の解雇に関する適正手続きを踏み、証拠書類を残していたとしても、外国企業とフィリピン人労働者との紛争では外国企業に不利な判決を受ける可能性が高いことから、不当解雇と扱われるリスクは残ります。それゆえ、できる限り解雇という手法は避け、笑顔で会社を自主退社してもらうように導くのが現時点では有効かと思います。

 

それでは今週も宜しくお願いします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

国際事業部 フィリピン支社 日比野和樹

 

 

 

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