残業代の支給の原則

労務

TCFフィリピン駐在員の榊原です。

今回のブログでは「残業代の支給の原則」についてのご質問にお答えします。

 

Q. 現状6時迄を定時としていますが、定時を過ぎる場合は、残業代の支給は必須なのでしょうか。例えば6:20PMに帰る場合でも、極論 22:00PM が退社時間でも、それぞれ、20分、4時間分の残業代は払う必要があるか、否か。日本ではある程度の残業は当たり前であり、残業代が出ないというケースも多いのですが、フィリピンでは、明確な規定があれば、ご教示頂けますでしょうか。

 

A. はい。労働法Art. 87.に記載の通り、8時間を超えて勤務した場合、残業代の支給は必須となります。なお、午後10時から午前6時までの間に勤務した場合は夜間勤務手当として通常の賃金の10%以上の支給も義務付けられています。

Art. 87. Overtime work. 超過勤務

Work may be performed beyond eight (8) hours a day provided that the employee is paid for the work, an additional compensation equivalent to his regular wage plus at least twenty-five percent (25%) thereof.

→8時間を超えて勤務した従業員は、通常の賃金に加えて通常の賃金の25%以上の割増賃金を受ける。

Work performed beyond eight hours on a holiday or rest day shall be paid an additional compensation equivalent to the rate of the first eight hours on a holiday or rest day plus at least thirty percent (30%) thereof.

→祝日や休息日に8時間を超えて勤務した従業員は、最初の8時間の賃金に加えて30%以上の超過勤務手当を受ける。

Art. 86. Night shift differential. 夜勤における差異

Every employee shall be paid a night shift differential of not less than ten percent (10%) of his regular wage for each hour of work performed between ten o’clock in the evening and six o’clock in the morning.

→午後10時から午前6時までの間に勤務した全ての従業員は、夜間勤務手当として通常の賃金の10%以上の割増賃金を受けるものとする。

 

対象の方が人事権を持つような管理職の場合は深夜勤務も含め残業代が免除となります。

また、雇用契約書内の給与額の記載欄で、基本給を下げ、「Deemed Overtime for ●● hours」

という項目で手当を支給する、としていれば「みなし残業」をさせることも可能となります。

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

フィリピン支社 榊原 綾

 

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