こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。
前回は少し投資関連から離れ歴史認識についてご紹介しましたが、また今週から投資、経済の話にもどりたいと思います。
2012年6月1日に国家経済開発統計調整員会(NSCB)より、2012年度第一四半期(1月~3月)の国内総生産(GDP)の実質成長率が6.4%との報告がなされました。主に、インフラ整備事業への政府支出増やサービス産業の伸びが要因として挙げられています。前年同期比1.5%増で、通年の政府目標(5~6%)を実質上回った形といえます。
http://www.nscb.gov.ph/sna/2012/1st2012/2012qpr1.asp
中央銀行は、6月の金融政策理事会で主要政策金利を据え置く見通しです。以前、国内の旺盛な消費も健在だということです。
アジア諸国は、どこも堅調なファンダメンタルだといえます。フィリピンもその1つでしょう。
しかしながら、やはり次に考えなければならないのは、やはり規制のことです。よく途上国においては法律と現実は乖離しているという話を耳にします。しかしながら、フィリピンでは厳格に法律が守られており、その意味ではフェアだといえます。しかしながら、外国人投資家(経営者)から見ると、やはり既存の産業についてはフィリピン国内の投資家に有利になっています。俗に6:4がよく知られていますが、多くの既存ビジネスは輸出志向でない限り、日本側の出資比率は40%までに制限されてしまいます。また、フィリピンでは1つの法案を通すのに、2~3年必要だといわれており、大統領任期6年で一期制です。これを抜本的に変えるというのは、なかなか難しいといえます。
ただ、これを逆に読むのであれば、新規産業で、輸出志向のビジネスは割りと高めの法人税30%を回避しつつ、安い人件費とランニングコストでのビジネスを享受できます。したがって、国、周囲の状況やうわさで進出国を選ぶ、というのではなく、ビジネスモデルが言わずもがな重要であるといえます。
以上