皆さん、こんにちは。
フィリピン・マニラの近石です。
今週のブログでは、これまで外資が小売業へ進出する際に妨げとなってきた、資本金に対する規制が緩和される見通しであること及び今後の動向をお伝え致します。
今まで外資企業がフィリピン国内で小売業を行うには、次の条件をクリアしなければならず、フィリピン国内へ外資の小売業が進出することを妨げていました。これは、国内の産業を守るためには当然の措置であると思います。
- 外資企業の場合、払込資本金が250万ドルかつ1店舗当たりの投資は83万ドル以上
- 高級品または贅沢品に特化した企業で、1店舗当たりの払込資本金は25万ドル以上
上記の資本金に関する規制以外に、次の外国資本に対する要件を全て満たした場合に、100%外資の参入が認められています。
- 1.に該当する企業の場合、親会社の純資産が2億ドル以上
2.に該当する企業の場合、親会社の純資産が5,000万ドル以上
b. 世界で5件以上の小売店もしくはフランチャイズを展開し、少なくともその1店舗の資本金は2,500万ドル以上
c. 小売業で5年以上の実績を有する
d. フィリピンの小売業の参入を認めている国の国民もしくは同国で設立された法人
上記いずれの内容も、外資がフィリピンで小売業を展開する上でクリアするにはハードルの高い内容であったことを受け、投資委員会(BOI)のサマニエゴ委員長が、小売業への外資規制緩和に向け、外資100%の出資を認める事業体への最低払込資本金を現在の250万ドルから50万ドルへ引き下げる案が有力になっていると発表しました。
当初は、20万ドルまで引き下げる予定だったのですが、国内の中小零細小売業者を保護する目的で、若干の修正がされました。
また、同委員会によると、外資による小売業への進出を妨げているのは、払込資本金の額ではなく、1店舗当たりの最低投資額の83万ドル以上であるとし、引き続き外資進出の規制緩和への調整を目指しています。
フィリピンでは貧富の差が激しい国でありながら、個人消費は伸び続けており、GDPの中で個人消費が占める割合は、70%にも上ります。この大きな消費を支えているのは、出稼ぎ者からの海外送金によるところが大きいです。
更に、2023年には日本の人口を抜くことが予想されているので、今後ますます日本国内よりも魅力的な市場となっていくフィリピンにおいて、小売業の外資規制が緩和されるというニュースは今後も注視し、私自身最新の情報を提供できるよう努めて参ります。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
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フィリピン国 マニラ駐在員
近石 侑基
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