フィリピンの会計あるある⑤

会計

東京コンサルティングファームフィリピン・セブ支店駐在員の日比野です。

今週まで連載を続けていたフィリピンの会計あるあるをお伝えします。

フィリピンの経理に携わる方には、いくつか頷かれる内容があったかもしれません。

 

今回は下記の2つを挙げさせていただきます。

 

・引継ぎがされず、過去の仕訳方法が不明瞭である。

・今まで使われていなかった新しい勘定科目を作る。

 

今回の2つは引継ぎに関して起こる内容です。

フィリピンは他の東南アジア諸国同様、転職率が高いと言われています。フィリピン人の強みである英語を生かして世界に羽ばたくフィリピン人も多くいます。そのため、会社としては引継ぎに対するリスクを回避しておく必要があります。

 

 会計においては、同じ経理担当が自分の分かるような記帳方法で、会計処理をしている場合があります。いざその担当者が離職をする際に、引継ぎが行われない、不明瞭で後任者が理解できないというケースが往々にして起こります。

日本人のような丁寧な引継ぎは珍しく、急に担当者が出社しなくなった、1週間の引継ぎで海外に行ってしまった、海外に行き連絡が取れなくなった、という話も、通常起こり得ます。

 長年経理を務めた担当者の知識は全て当人の頭の中にあり、それが見える化されていないことが大きなリスクとなります。また過去の仕訳内容が把握出来るように、常に元データを残したり、会計ソフト上に詳細を摘要として残しておくことで、過去の記帳を精査したときに当時の状況が分かるようにすることが重要です。

 

 さらに担当者が変わったタイミングで、過去の仕訳を確認せずに、自己流で新しい会計科目を追加されている財務諸表も見られます。経理担当の変換期に以前使われていた経費科目が発生しなくなり、新たな科目で同内容の費用が計上され始めます。

 

 フィリピンのような離職率の高い国でこそ、会計方針、ルール、マニュアル等を作成して、常に一定のクオリティで経理業務が行われるような対策が重要となります。

 

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

フィリピン支社 セブ支店 日比野和樹

 

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