フィリピンの会計あるある③

会計

東京コンサルティングファームフィリピン・セブ支店駐在員の日比野です。

今回も引き続きフィリピンの会計あるあるをお伝えします。

 

今回は下記の2つを挙げさせていただきます。

 

・出入金ベースで会計記帳をしている。

・帳簿の現金残高が実際の残高と乖離している。

 

 これらはある程度の知識を持った経理の方でも、慣例に従って不適切な会計処理をしてしまうことがあるケースです。

 

 フィリピンにおいても経理の方が通常、税務計算も行っています。税務計算では出入金をベースに税金が発生する場合が多いため、出入金に合わせて会計処理をしてしまう経理の方がいます。

例えば不動産業で6ヶ月の家賃を前受けした場合、税務上は売上に計上することが正しいとされています。一方で会計帳簿上では、毎月1ヶ月分の売上を計上すべきです。

それにも拘わらず入金月に全額売上として計上し、その後5ヵ月間の売上が無い会計帳簿を目にすることがあります。完全な間違いではありませんが、これでは正しい経営判断も出来ません。

 

 同様に、毎月支払いが発生する料金が、請求書が来ていないという理由で急に費用計上されていない場合もあります。月単位で比較してみると、場合によって、損益表は黒字になったり、赤字になったりすることになってしまいます。

 

 また会計帳簿の預金残高がずれてしまい、実際の通帳残高、手持現金と乖離しているケースがあります。この場合、計上漏れや、小切手の処理が遅れている可能性があります。常に通帳残高、手持現金残高をチェックし、帳簿と相違がある場合には、原因を把握しておく習慣をフィリピン経理に付けさせる必要があります。

 

 特に自身のある経理の方ほど、日本人の方法に耳を傾けない傾向があります。第三者のレビュー等によるコメントも伝え、経理の方のプライドを守りつつ助言をし、さらにチェック体制でカバーが出来るとミスが無くうまく経理が回ります。

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

フィリピン支社 セブ支店 日比野和樹

 

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