皆さん、こんにちは。
フィリピン・マニラの近石です。
今週のブログは会社設立時の資本金額の設定について書かせて頂きます。
資本金について簡単に説明させて頂きます。フィリピンには資本金が次のように3種類あります。
・授権資本金…取締役会の権限で新株を発行することができる限度額
・引受資本金…実際に株式の引受契約が締結された資本の金額
・払込資本金…引受契約のうち実際に払込まれた金額
会社設立にあたり、こちらの額を同額に設定したいという、ご要望を時々頂きますが、同額にしない方が良いかと存じます。
会社を運営するにあたりまして、増資を検討されることも今後あるかと思います。その場合、取締役会だけでなく株主総会の決議も必要になり、手続きがとても煩雑になります。そのため、一般的に今後の増資等を考慮し、幅を持たせている会社様が多いかと存じます。
このような授権資本制度は日本にもあり、目的は迅速な資金調達にあります。増資をするには上記でも説明させて頂きましたが、株主総会の決議が必要になるため、非常に時間を要します。そこで、株主総会の決議により限度額を設定し、取締役会に権限を授権することによって、取締役会決議により資金調達を行うことが可能となり、迅速な資金調達が可能となるのです。
また、設立状態により最低払込済資本金の要件が以下のように決まっております。
■設立状態が会社の場合
・発行済株式総数及び議決権の40%超が外国資本の国内市場向企業→200.000USD
ただし、以下のいずれかの場合は100,000USDとなります。
- 先端技術に従事する場合
- 従業員を50人以上直接雇用する場合
・発行済株式総数及び議決権の40%以内が外国資本の国内市場向企業→5,000PHP
・輸出企業→5,000PHP
■設立状態が支店の場合
・100%外国資本であると仮定して国内市場向企業→200,000USD
ただし、以下のいずれかの場合には100,000USDとなります。
- 先端技術に従事する場合
- 従業員を50人以上直接雇用する場合
・輸出企業→5,000PHP
■設立状態が駐在員事務所の場合
・送金額→30,000USDの送金が必要(こちらは、運転資金にご利用いただけます)
今週も、どうぞよろしくお願い致します。
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フィリピン国 マニラ駐在員
近石 侑基
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