こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。
【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.60< 証憑不足で予期せぬ追徴課税?!Part.2 >
日系フィリピン子会社の税務コンプライアンスチェックにあたって、各種証憑類の取扱いが論点になることがあります。
前回に続き【証憑と税務の関連性】というテーマでいくつかの事例をご紹介します。
今回は具体的に証憑不足による追徴課税を受けるケースを取り上げていきたいと思います。
① Offical Receipt(領収書)の不足
フィリピンでは、税務上、BIRで登録されたOfficial Receipt(OR)なしでは経費の損金算入、並びにInput VAT(仮払消費税)の支払いが認められず、法人税とVATの納付額が、増加することになります。
実際の税務調査時には、経費の支払いに対してORが不足している場合、複数の税目に大きな影響を与えることになるためご注意下さい。
・法人税の損金性
・EWT(拡大源泉税)の徴収有無
・Input VAT(仮払消費税)の還付申請…等
例えば、フィリピンの税務調査では、EWTの申告納付漏れがあった際は、EWTに対する追徴課税が課されます。
加えて、源泉税未徴収分の費用は損金否認されるため、法人税の過少申告とみなされ、ペナルティーを含め源泉税と法人税に対するダブルタックスの追徴を受けることになってしまいます。
*2018年より過年度分の源泉徴収漏れが指摘された場合、修正申告と延滞利息や加算税を含む税金納付を行う事で当該費用の損金算入が認められることになっています。
*延滞税の利率は、2017年まで年利20%、2018年以降は年利12%となっています。
一方で、サービス業の会社で、ORを発行する側である場合、従業員の経費精算等に対する支払い時に誤ってORを発行してしまっているケースも見受けられます。
ORはあくまで売上に紐づくものに発行するため、社内での立替払い等で過剰にORを発行している場合、法人税やVATの過少申告とみなされ、追徴課税を受けることもあるので要注意です。
最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也
2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。
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