こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。
今回は、フィリピンにおける会計制度についてお話しします。
フィリピンでは、会計上の記帳言語は英語であり、会計基準もIFRSに準じたPFRSですので、会計処理として特段悩ましいことはありません。
また、会計期間は基本的には暦年による12ヶ月、通貨はペソ表記となりますが、
設立時または設立後に会計期間(12月決算⇒3月決算等)並びに機能通貨(PHP→USD等)の変更することが可能となっています。
一方で、支店及び駐在員事務所といった外国法人は、本店又は親会社と同じ会計年度を採用します。
また税法上の観点では、会計帳簿及びその証憑類の保管期間は、10年間 となります。
従前は、BIR(税務署)による税務調査が過去3年遡って実施される事を背景に3年間となっていましたが、
粉飾や不正が発見された場合、過去10年間に遡って税務調査の対象になることが同じく税法上に定められており、この規定を根拠にBIRは2013年9月に会計書類の保管期間にかかる新ルール(RR No. 17-2013) を公表しました。
これにより、保管期間 は従来の3年から10年に延長されています。
具体的には税務申告の期限日から10年間もしくは提出が遅れた場合は提出日から10年間となります。
更に、2014年の7月に追加の歳入規則 (RR No. 5-2014) が出され、最初の5年間については会計書類等の紙ベ ースでの保管、その後の5年については電子データ(DVD等)での保管 も認められると規定されました。
これらの規定違反があった場合は、1,000~10,000phpの罰金、または30日以上5年未満の懲役、もしくはその両方の罰則を受ける可能性がありますので、会計書類の保管に関しては設立初期の段階からポリシーを定めておくのが良いでしょう。
最後に、昨年9月より弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
大橋 聖也