人口6,000万の魅力~人材の確保と育成~

労務

ミンガラバー!ミャンマー駐在員の杉山です。

最近、日系工場の方のお話しを聞く機会がありました。そこでひとつのキーワードとして挙がったものが、「労働力の確保」についてです。

新たな市場として注目を浴びているミャンマーは、豊かな労働力、低賃金がメリットのひとつとして挙げられています。しかし、その労働力の確保も、日系企業にとって頭を悩ますものとなっています。
ワーカーの給与水準の上昇が顕著であり、2011年の労働法規の改正により、ストライキが解禁されたこと、公務員の最低給与が上昇したこと等により、60ドル/月程度であった賃金水準が既に100ドル/月程度にまで迫っているようです。
また、とある工場では、月に50人から100人が辞めている状況もあるといいます。

そして、ティラワ経済特区も2015年の部分開業を目標に開発中ですが、労働力をどこから確保するのかも課題となっています。ティラワは、市内より南へ24キロ離れた場所にあるため、ミンガラドン工業団地の工場のように、ヤンゴン市内やマンダレーからの労働力の確保も容易ではありません。

工場では、ありませんが、弊社も現地スタッフの採用に取り組んでいます。
そこで実感することは、ミャンマー人は、日本の企業で働くことで自身のキャリアアップに繋げようという意識が強いということです。そのため、求人に対する応募は比較的多く、日本語を勉強している人も多いです。

オフィスでの人材確保についてですが、マネージャー層の人材が、他の東南アジア諸国同様に不足していると言えます。自ら考えて行動するといった訓練を受ける環境が整備されていないためです。これは、1988年の軍事クーデター以降、ミャンマー政府が、大学では考えることをやめさせ、暗記型の教育を行うことを強制してきたことが背景にあるといわれています。そのため、スタッフの間は、まじめで素直であると言われているが、マネージメントを求めることは、容易ではないように思います。

ミャンマー進出において、人材の確保とともに、人材の育成が重要な課題となりそうです。礼節を重んじるミャンマー人にとって、日系企業への適合は可能であるに違いないので、「育てる」という観点を合わせ持つことが必要だと感じます。そうすれば6,000万という人口も、労働力として大きなメリットとなるのではないでしょうか。

以上

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