ミャンマーにおける資金調達について

税務

ミャンマーでビジネスをしていく際の資金調達においては主に

  1. 増資
  2. オンショアローン(国内金融機関からの融資)
  3. オフショアローン(国外銀行による融資、親子ローン)

があります。ミャンマー国外のオフショアでの資金調達には規制があり、事前に中央銀行の許可を取ることが求められています。

出資・増資 オンショアローン オフショアローン(親子ローン)
貸し手 日本本社

地域統括会社

現地金融機関 日本本社

地域統括会社

国外金融機関

通貨 MMK・USD MMK・USD・EUR・SGD・JPY・RMB USD・EUR・SGD・JPY・RMB
金利負担(現地法人) なし あり あり
為替リスク なし あり あり
規制 なし なし(ただし、外国銀行からのみ借り入れ可能) あり(条件あり)
承認 要(MIC、DICA等) 不要 要(中央銀行)

 

増資の方法

増資を行う場合は、DICAの運営するMyCOを通して増資の届け出をします。

2020年現在、増資に関して提出の求められるフォームはFormC-3、申請料金は10,000MMKです。
上記フォームは事象発生後21日以内に行う必要があり、実際に増資を行った後にはCredit Adviceを提出します。また、増資後は取締役会の議事録またはその他関連書類の保管が必要です。

 

国内での借り入れ

原則としてミャンマー国内で地場銀行から融資を受ける際にはミャンマー国内の不動産などの担保が必要です。
しかしながらミャンマーにおいては外国人、外国企業の不動産所有が認められていないため、外国企業が地場銀行からの融資を受けることは実質不可能でした。

そんな中、2017年より外資銀行に対する支店設立の規制緩和が行われ日本のメガバンク3行を含む外資銀行の支店が設立しました。
これにより、外国企業は外資銀行からの、資金調達が可能となりました。

 

外資銀行からはミャンマーチャット(MMK)もしくはUSDでの借り入れが可能となっています。

これらの貸し出しに関して、資金使途の規制はありません。期間はMMK借り入れの場合は原則1年間、ミャンマー中央銀行が認可した場合は3年間となっており、USDの場合において上限などは特に定められていません。
また、貸出レートはMMKが上限13%、USDは市場金利によるとされています。また、各銀行が各企業に貸し出せるのは擬制資本金の20%以下に限られています。

MMK USD
期間 1年間(中央銀行の認可があれば3年) 規制なし
レート 金利上限13% 市場金利
貸出制限 銀行の擬制資本の20%以下(1社、1グループに対して)
使途制限 規制なし

 

国外からの資金調達

国外からの借り入れを行う際には前述のとおりミャンマー中央銀行から承認を得る必要があります。(外国為替管理法48条)
この中央銀行による承認の取得手続きは中央銀行のホームページに公開されており、以下の通りとなっています。

また、下記オフショアローンの承認手続きは、事前に返済時の国外送金の承認を取っておくという意味合いがあり、元本や利息支払いの送金についての中央銀行の承認を改めて取得するという必要はありません。

しかしながら、資本金80万ドルの企業が親子ローンを申請したところ、100万ドルまで増資をしてからでないと認めないという判断をされたケースもあるなど、こちらを満たせば必ず認められるということではありませんので、ご注意ください。

なお、MICの認可(Permit / Endorsement)を受けている企業の場合には、申請時に際して、親子ローンをやる旨の承認を取っておく必要があります。
そのため、MICの認可の際に含めていない場合にはまずMICからの認可を取得し、その後に中央銀行へ親子ローンの承認を申請する形になります。

 

【中央銀行によるオフショアローン承認について】

ミャンマー中央銀行によると、中央銀行へオフショアローンの許可を申請する際には、ミャンマー中央銀行へ直接申請を行うかMIC(ミャンマー投資委員会)を通して申請を行う必要があります。
また、ティラワ経済特区内の企業においてはティラワワンストップサービスセンター(OSSC)を通した申請も可能です。

中央銀行に提出した書類を元に精査が行われ、オフショアローンの可否が企業に通知されます。
必要書類は以下の通りです。

(a)  宛先を “the Central Bank of Myanmar, Office No(55), Nay Pyi Taw”とした申請書
(b)  会社登録証明書(Company Registration Certificate)、MyCO企業情報(MyCo Company Extract)、会社定款(Company Constitution)など会社情報に関連する書類
(c)  (企業がすでに設立されている場合)公認会計士である外部の監査人により監査された今年度及び、前年度の監査済み財務諸表。
(d)  提案しているローンに関する支払スケジュールやその他関係データを記載したローン同意書の草案
(e)  銀行計算書(Bank Credit Advice)、銀行取引明細書(Bank Statement)、もしくは企業(借り手)の株式譲渡証明書
(f)  その他証拠書類

 

また、審査の際には以下の点も考慮されると中央銀行のホームページには記載されています。

(a)  自己資本が500,000USD以上の企業はMICの認可を受けているであろうということ。
(b)  企業がDICAを通して登記を行った企業の場合は事故資本が50,000USD以上であるかどうか
※資本金が50,000USD以下の場合は借り入れではなくまずは50,000USDまで資本として注入するように求められます。
(c)  外国為替による収入を得ることができる手段を申請者(借り手側)が保有しているかどうか。
(d)  (外貨収入を得る手段がない場合)為替レートの変動リスクを軽減させ、かつ国内の収入であっても返済可能であるプランがあるかどうか
(e)  借り手側が資本金の80%以上をMICの許可を得て払い込み済みであるかどうか
(f)  申請者がMIC許可を取得している企業の場合、負債資本倍率が最大で4:1程度であるかどうか。
(g)  申請者の企業がDICAにて設立をした企業である場合、負債資本倍率が最大で3:1程度であるかどうか
(h)  ローンの契約書や書類の条件と規約が正当かつ完成されたものであるか
(i)  融資の期間は中長期であり、返済スケジュールはローン契約書と矛盾していないか

以上となります。

ミャンマーにおいて資金を調達する場合には、その方法によってどのような手順を行うことが必要であるかを事前に確認しておくことが重要です。

 

弊社では親子ローンの申請の他にも、進出前のFS調査から会社設立、会計・事務、労務、法務、人事評価制度にいたるまで進出に係るサポートを一貫してご提供しております。
設立、設立後についてご質問やご不安などございましたら、お気軽に、下記までご連絡頂ければと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

Tokyo Consulting Firm Co., Ltd (ミャンマー)・ヤンゴン駐在員
西野由花(Nishino Yuka)

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