現地人(ワーカークラス)採用時の留意点

経営

こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。

 

今週は、メキシコにおける現地人採用時の留意点について記載いたします。

 

質問)

工場の稼働に伴い、メキシコ人のワーカーを数名採用する予定です。

採用時の注意点やワーカークラスの特徴等がありましたらご教示ください。

 

回答)

ワーカーを採用する際に留意する点としては、現場の責任者をメキシコ人にし、そのメキシコ人責任者が技術面から日本企業での働き方等の理念面まで含めて指導する必要があります。これは、言語の違いにより、スペイン語を流暢に話せる日本人や通訳がいない場合は直接指導することが難しい、というのはもちろんのこと、インフォーマルセクターと密接にかかわっている者も少なくないからです。その中で、無駄な誤解を生まないためにも、日本人駐在員が直接工員とかかわることは控えた方が賢明です。

 

また、ワーカーと一緒に写真を撮るなどの行為も十分に注意する必要があります。メキシコでは、お金を持っている者をピンポイントで狙うので、このような顔写真を元に誘拐が発生したケースも多く存在します。

 

給料水準が低いワーカークラスは、預貯金を行う習慣があまりありません。そのために賃金の支払(給料日)を月4回とする工場も多くあります。月2回の支払にしていて、工員から月4回にするべきとの不満が出た工場もありますので、事前に希望を聞く等して対応をしましょう。

 

その他、工員のための食堂を用意する、PTUはしっかりと支払うなど、留意する項目は多岐にわたります。特にワーカークラスとなるとその場で貰える賃金や手当を最優先に考える傾向にあるため、同じ工業団地内の他企業に関する情報交換が頻繁に行われ、少しでも賃金が高い企業、社食が充実している企業へと転職していってしまう例を多く耳にします。近場の企業とはそういった待遇面の情報共有も欠かさず、お互いの企業からの転職者を受け入れない等の連携が重要となってまいります。

 

今週は以上となります。
ご不明な点がございましたら、どうぞお気兼ねなくお問い合わせください。

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