メキシコの年度末確定申告書に記載された課税所得について

皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの渡辺 寛です。
今週はメキシコの年度末確定申告書に記載された課税所得をご紹介します。

質問)
メキシコ法人所得税の年度末確定申告書について日本の本社に説明する必要があります。説明するポイントとして
1) 課税所得がいくら発生したのか?
2) 前年度分としていくら納税する必要があるのか?
最低限、上記においては確定申告書ベースに説明したいと考えております。
どこに記載があるのかご教示いただけないでしょうか。

回答)
まず1の課税所得がいくら発生したのかにつきましては、13ページほどある申告書の中にお7ページ目の「CONCILIACIÓN ENTRE EL RESULTADO CONTABLE Y EL FISCAL」という項目に記載されます。
※ページ数は、企業によって若干異なります。

 

上記の添付が、該当するページの写真です。

このページで以下のフローによって課税所得を計算しております。

 

会計上の当期純利益(UTILIDAD O PÉRDIDA NETA HISTÓRICA)

+会計上の費用   (DEDUCCIONES CONTABLES NO FISCALES)

△税務上の損金   (DEDUCCIONES FISCALES NO CONTABLES)

—————–

課税所得     (UTILIDAD O PÉRDIDA FISCAL ANTES DE PTU)

 

12ページ目には、PTUを記載する欄がございますが、このPTUは、上記のページに記載されている課税所得の10%とはなっておりません。その理由は、上記のページでで計算された課税所得には、インフレ調整(AJUSTE ANUAL POR INFLACIÓN DEDUCIBLE)等も含まれておりますが、12ページ目のPTUの計算にはインフレ調整等含まれない科目があるためです。

次にご質問事項2の前年度分としていくら納税する必要があるのか?ということにつきましては、13ページあたりの「DETERMINACIÓN DEL IMPUESTO SOBRE LA RENTA」という項目に記載されております。

このページでは、主に下記のような計算フローで納税分の金額を計算しております。

課税所得  (UTILIDAD O PÉRDIDA FISCAL ANTES DE PTU)

△前年度PTU (PTU PAGADA EN EL EJERCICIO)

—————————————

法人税課税所得(UTILIDAD FISCAL DEL EJERCICI)

 

法人税課税所得(UTILIDAD FISCAL DEL EJERCICI)

△予定納付済法人所得税

△繰越欠損金(PÉRDIDAS FISCALES DE EJERCICIOS ANTERIORES QUE SE APLICAN EN EL    EJERCICIO)

×法所得税率(30%)

————————————-

前年度分の納付額(ISR A CARGO DEL EJERCICIO)

 

3月末の確定申告期限が近づいてきているため注意が必要となります。

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
渡辺寛

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