こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。
今週は、駐在員の日本側での給与支給に関する注意点について記載いたします。
質問)
弊社では日本人駐在員に対する給与支給の4割を日本側で支給しております。
日本側では給与の立替というかたちでメキシコ法人へ毎月請求しているのですが、先日弊社の経理担当より「日本側が支払うべき所得税が支払われていない」という指摘を受けました。
日本側がメキシコの所得税を支払う、という点がよく理解できていないのですが、具体的にどのような対処をすべきでしょうか。
回答)
お問い合わせいただきありがとうございます。
まず、今回の“所得税”の対象となっているのは日本人駐在員の給与です。
本来日本人駐在員の給与を全額メキシコ法人で支給する場合、給与支給時に所得税の源泉徴収を行います。
今回の場合、給与のうち6割はメキシコ法人で支給されているため、その分の所得税は源泉徴収をされていますが、日本側が立て替えている4割分の給与に関しては所得税の徴収が行われていないということになります。
本来支払うべき所得税の4割をメキシコにて申告・納付がなされていないということになりますので、給与額によっては脱税として当局から指摘を受ける可能性が考えられます。
対処策としては以下2点がございます。
・メキシコ法人から日本へ立替返金を行う際に所得税の源泉徴収を行い、差額を送金するようにする。
ちなみに今回のようなケースの場合、所得税の納付義務は、年間所得が125,900メキシコペソ(MXN)を超えた時点で発生いたします。
以下のように金額に応じた所得税の源泉徴収が必要です。
- 0 ~ 125,900 MXN (年間) – ISR支払義務なし
- 125,901 ~ 1,000,000 MXN – 所得税15%
- 1,000,001 MXN以上 – 所得税30%
※メキシコ所得税法第154条より
LEY DEL IMPUESTO SOBRE LA RENTA
Artículo 154. Tratándose de los ingresos por salarios y en general por la prestación de un servicio personal subordinado, se considerará que la fuente de riqueza se encuentra en territorio nacional cuando el servicio se preste en el país.
El impuesto se determinará aplicando al ingreso obtenido las tasas siguientes:
- Se estará exento por los primeros $125,900.00 obtenidos en el año de calendario de que se trate.
- Se aplicará la tasa del 15% a los ingresos percibidos en el año de calendario de que se trate que excedan del monto señalado en la fracción que antecede y que no sean superiores a $1,000,000.00.
III. Se aplicará la tasa del 30% a los ingresos percibidos en el año de calendario de que se trate que excedan de $1,000,000.00.
La persona que efectúe los pagos deberá también efectuar la retención del impuesto si es residente en el país o residente en el extranjero con un establecimiento permanente en México con el que se relacione el servicio. En los demás casos, el contribuyente enterará el impuesto correspondiente mediante declaración que presentará ante las oficinas autorizadas dentro de los quince días siguientes a la obtención del ingreso.
・メキシコ現地で行っている日本駐在員給与の計算上に日本側支給分も組み込み、総額から所得税を算出する。
この場合日本側へ送金する際の所得税の源泉徴収が必要なくなるため、日本が受け取る金額が減らずに済みます。
また、日本駐在員給与の所得税も本来メキシコ現地で全額請求された場合の税率(下記参照)で計算されます。
※メキシコ所得税法第96条より
以下、関連記事もご参考までに閲覧いただけますと幸いです。
今週は以上となります。
弊社東京コンサルティングファームでは給与計算サポートや税務関連のアドバイザリーも行っておりますので、
ご不明な点がございましたらどうぞお気兼ねなくお問い合わせください。
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株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
清水皐
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