メキシコ2018年8月現在のインフレ率状況と2019年以降の最低賃金予想

こんにちは。

 

東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。

 

今週は、メキシコ2018年8月現在のインフレ率状況と2019年以降の最低賃金予想について記載致します。

 

質問)

 

メキシコでは最低賃金がインフレ率に伴って毎年上昇していると聞きますが、今後はどの程度上がるものなのでしょうか。

 

回答)

 

今後の最低賃金上昇の要因の一つとしましては、ご認識の通り毎年のインフレ率の上昇が挙げられます。

 

 

ここ9年間のインフレ率は上表のようになり、特に2017年の対前年比インフレ率は6.77%と例年と比べ跳ね上がっていることが見られます。

ちなみに2018年7月のインフレ率は4.81%と発表されております。

メキシコ中央銀行では、今年6月21日の会合にて、政策金利を0.25%増の7.75%に引き上げることを決定しました。これによって消費者物価指数の上昇を抑え、2019年3月までにインフレ率を3%台に乗せることを目標としております。

 

次に、最低賃金の上昇率について注目しなければならないのは、次期大統領に当選したAndrés Manuel López Obrador (以下AMLO)氏の政策でございます。彼の政党である国家再生運動(MOLENA)では、主な政策の一つとして「最低賃金の引き上げ」を掲げております。引き上げは特に北部国境地域が対象となると想定されておりますが、政策内容によりますと毎年15.6%(+インフレ率)ずつ上昇させ、AMLO氏の任期が終了する2024年までに、最低賃金を現在の88.36ペソから171ペソまで引き上げるとしております。

 

勿論日系企業様の多くは、最低賃金を考慮するというよりは、同業種の他日系・外資企業の賃金と比較しながら賃金を上げていく、という対処をとられているところが多いかと存じます。しかし、ここで注意するべき点は、最低賃金の額、ではなくその上昇率となります。

毎年最低賃金が15%以上上がっていくとなると、メキシコ人労働者としては、自分の賃金もこの上昇率と同じくらいの率で上がるものだと考えるのが一般的であり、もし自身の賃金上昇率があまりにも最低賃金の上昇率より低かった場合、労働者の不満に繋がりかねません。

一方で、AMLO氏が提唱した通り毎年これだけ引き上げられてしまうと、賃金だけが上がっていき、売上がその上昇率をカバーできなかった場合利益を圧迫してしまうという結果となるのは、容易に想像ができることと存じます。

 

必要以上に賃金を上げるという状況を避ける為にも、今の内に人事評価制度を見直し、企業側、労働者側双方が納得のいく昇給システムを構築しておく必要がございます。

 

弊社ではこうした評価制度の無料レビューや構築のお手伝いをさせて頂いておりますので、ご関心がございましたらご遠慮なくお問合せ下さい。

 

清水皐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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