皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週はメキシコでの最低賃金の種類について記載します。
質問）
当社はメキシコで物流関係の仕事をしている会社です。今回メキシコ現地における最低賃金のことで相談をさせてください。
メキシコにも日本と同じように最低賃金が決められており、2018年現在のメキシコの最低賃金は、1日当たり88.36メキシコペソという認識です。しかし、現地従業員から「最低賃金に種類があり、仕事の内容によっては、この金額以上の最低賃金を適用しなければならない」ということを言われました。
もし、最低賃金にいくつかの種類があり、当社従業員に対して88.36メキシコペソ以上の最低賃金額を適用する義務があったにも関わらず、下回っていると問題となるため、最低賃金の種類について教えてもらえないでしょうか。
回答）
メキシコの最低賃金は、通常12月上旬～中旬頃に全国最低賃金委員会（CONASAMI ：El Consejo de Representantes de la Comisión Nacional de los Salarios Mínimos)よって、翌年度から適用される最低賃金の額が発表され、1月1日より適用されるようになります。
2018年度のメキシコの最低賃金はご認識の通り、前年比10.4％UPの「88.36メキシコペソ（MXN）／日」になっており、多くの方がこの最低賃金額を把握されていると思われます。
今回、ご質問のあった最低賃金の種類に関してですが、メキシコ最低賃金は大きく分けると、一般最低賃金（Salarios Mínimos Generales）と職業別最低賃金（Salarios Mínimos Profesionales）の2種類があります。
まず、一般最低賃金とは多くの方が把握されている最低賃金である、88.36MXN/日が該当します。一方で、職業別最低賃金とは、一定の職業（職種）に対して適用されるものであり、現在98.43MXN/日～236.28MXN間で59種類に分かれています。
この59種類に該当する職業に就いている者に対しては、雇用主は一般最低賃金の88.36MXN/日ではなく、各職業に応じた職業別最低賃金の金額を適用しなければいけませんので注意が必要です。
ちなみに、職業別最低賃金で最も高い金額は、236.28MXN/日であり、一般最低賃金の約2.6倍にも及びますが、この職業は報道関係のレポーター職の人が該当するものとなります。
【参考】
一般最低賃金（Salarios Mínimos Generales）と職業別最低賃金（Salarios Mínimos Profesionales）の一覧を以下のURLを通じて確認することができます。
