意思決定のタイプは拡大型か? 維持型か?

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こんにちは、メキシコ駐在員の片瀬です。

最近、私はある方に次の様な事を言いました。「仕事はテストとは違い、自分に知識が全く無かったとしても、0点にはなりません。それどころかお客さんを満足させるものを知識0で提供する事すら可能です。その方法を探してください」と。つまり私にとって仕事とは、インプットが無かったとしても成り立つものなのです。

自身の意思決定のタイプは拡大型か? 維持型か? この特性を見分けるために簡単な方法があります。
皆さんは仕事で大きな壁にぶつかった時に、次のどちらに思考が行きますか?①『なぜだろう?』、②『どうやろう?』
これで分かります。皆さんはこの違いが分かりますか? 私は間違いなく『なぜだろう?』タイプです。『なぜだろう?』タイプと『どうやろう?』タイプは仕事の話をしてもかみ合いません。例えば『なぜだろう?』タイプが、「なぜ仕事が上手くいかないのか?」と『どうやろう?』タイプに聞くとしますよね? すると『どうやろう?』タイプは「このようにすれば上手くいくのではないですか」と答えます。これは本当に良くあります、一見すると繋がっているようにも見えます。ただし、この会話には『どうやろう?』タイプが絶対にできない意思決定が隠されているのです。皆さん何か分かりますか?

さて、話を戻しましょう。
つまり、自身の意思決定を『なぜだろう?』からつなげるのが拡大型であり、『どうやろう?』からつなげるのが維持型であります。ここで一つ疑問に思う事は、それぞれがもう一方のタイプになれるのかどうかです。私は『なぜだろう?』タイプですので、『どうやろう?』タイプになれるのか? そもそもなるべきなのか? このジレンマは私が常に考えていることです。

意思決定を自分で「選択」したい、人に「選択」してもらいたい。これについて考えてみましょう。
これは簡単! 自分で「選択」したい人が『なぜだろう?』タイプで人に「選択」してもらいたい人が『どうやろう?』タイプだと、そう皆さん思いましたね?……はい違います(笑)基本的に『なぜだろう?』タイプは自分で「選択」したくないのではと私は思っています。結果として自分で「選択」せざるを得ない状態になっている人は大勢いますが。基本的には「選択」したくは無いはずです。そう考えると『どうやろう?』タイプの方が「選択」することが多いですね。何故なのでしょうか? そもそも「選択」とは何か、私は「選択」とはピラミッド型をしたものであると考えています。つまり『どうやろう?』タイプの「選択」と『なぜだろう?』タイプの「選択」は全く違うものです。そう考えると先週書いたトップマネジメント、ミドルマネジメント、スタッフの意思決定の話にやはり戻りますね。

人の足りないものを補うことをするべきか?
私もこれは耳が痛く、お節介にも程があるレベルでどうやろう?タイプの人も『なぜだろう?』タイプの人も関係なく、盛大に『なぜだろう?』タイプの考え方を説いています。そっちの方が絶対に楽しいと思っているので盛大に説けるのですが、果たして『どうやろう?』タイプの方がそれを聞いてどう思うか? 「ためになったわ~」と思うでしょうか? 私は思わないと思います。そんな簡単なことで人の本質が変えられるのであれば人材育成はもっと楽な気がします。私は自分の考え方を盛大に説くのは、基本的には自分が楽しいからやるようにしています。

その様に考えてはいるのですが、ただ人と向かい合うとなると難しく、相手のできていない部分にばかり目がいってしまいます。私は『どうやろう?』タイプができていない場合に、もっとこう考えれば良いのにと思ってします。ただこれは逆もしかりで他人は必ず私のことを『どうやろう?』タイプの考え方を持てば良いのにと思っていることと思います。つまり人を見て足りないものを補わせるのでは、その人の本質によって左右されてしまうので、それを判断の基準にしてはダメなのです。では何を判断の基準にするのか?

私が『なぜだろう?』タイプとなったのは、偶然ではなく必然であると考えています。何故か? 『どうやろう?』タイプで抜きに出るには相当の努力が必要で、その努力の量によって抜きに出れるかどうかが変わってきます。私は未経験で当社に入ったその瞬間から他社の10年戦士に勝とうと思っていましたから、必然的になぜだろう?タイプに流れたのですね。どうやろう?タイプは経験があるから成り立つものという思いが強かったのだと思います。

ただ、会社の枠が決まってその枠の中に水を満たすステージに入った今は、どう効率的に水を満たせるか……つまり『どうやろう?』タイプが少しでも多く必要になっています。水が満ちたらその枠を少しずつ広げるために『なぜだろう?』タイプが少しずつ必要になるけれど、それはもう少し先ですね。

今回は、抽象的なことを『なぜだろう?』タイプと『どうやろう?』タイプという表現を使って書いてきましたが、足りないところを補う事が良でも、強みを生かすことが良でもなく、個人ではなく会社を見ながら柔軟にやるべきことを考えていくことが良なのだと再確認しました。

まずは苦手な「こつこつ」を少しずつ頑張ります。

お読み頂き、ありがとうございます。

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