社会保障制度の加入義務及び、企業負担額について

こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。

今週は、社会保障制度の加入義務及び、企業負担額について記載致します。

質問)

メキシコでは、企業の従業員全員をIMSSという社会保障制度に加入させる義務があるとのことですが、これはメキシコ人だけでなく日本人駐在員も含まれるのでしょうか。
また、加入させた場合に企業側が負担すべき保険料の額を教えて下さい。

回答)

まず一つ目の質問にお答えしますと、社会保障の加入義務は、日本人駐在員も含まれます。
メキシコの連邦社会保障法(Ley del Seguro Social)では、公務員を除く全ての法人がその従業員をIMSS(Instituto Mexicano de Seguro Social)に加入させ、社会保険料を支払うことを義務付けられております。また、日本とメキシコ間には社会保障協定が無い為、日本で社会保障制度に加入していたとしても、メキシコでもまた加入する必要がございます。

ここで、従業員を加入させるに当たって、2点程留意して頂きたいポイントがございます。
1、社会保障への加入期限としましては、対象従業員の入社日から5営業日以内と設定されております。なので、万が一の場合を考えて頂き、入社日以前から可能な限り早めに、加入に必要な書類は揃えておくことをお勧め致します。
2、従業員の労働日数や給与といった雇用データに関する書類は、最低5年間保管しておくよう法律で定められております。
こちらの2点は、社会保障法第15条Ⅰ、Ⅱ項に、以下のように記載されております。

Artículo 15. Los patrones están obligados a:
I. Registrarse e inscribir a sus trabajadores en el Instituto, comunicar sus altas y bajas, las modificaciones de su salario y los demás datos, dentro de plazos no mayores de cinco días

II. Llevar registros, tales como nóminas y listas de raya en las que se asiente invariablemente el
número de días trabajados y los salarios percibidos por sus trabajadores, además de otros datos que exijan la presente Ley y sus reglamentos. Es obligatorio conservar estos registros durante los cinco años siguientes al de su fecha;

次に、企業側が負担する保険料の額となりますが、これは従業員の月額基本給与に対して何%というかたちで算出されます。
そもそもIMSSとは、一般的に社会保障制度全体のことを指して呼ばれることが多いのですが、実際は下記の複数の項目に分かれております。
【IMSS】
IMSS(労働災害や医療、生命保険等)
SAR(退職年金基金)
INFONAVIT(労働者住宅供給基金)

各保険によって企業負担額の割合は異なりますが、各従業員の基本給に対し少なくとも36.15%以上が負担する保険料の額となります。ただし、IMSSの1つである「死亡事故遺族補償」に関しましては、該当企業の業務内容によって5段階にクラス分けがされ、死亡リスクの高い業務であれば負担割合も高くなるように設定がされております。

メキシコでは基本給の減給が難しいとされておりますが、その理由の一つとして、社会保険料と基本給の額が連動することが挙げられます。基本給を下げてしまうと保険料の額も下がるので、労働局からだけでなくIMSSからも指摘を受ける可能性がある、というのが弊社の見解となります。

*引用元「LEY DEL SEGURO SOCIAL(連邦社会保障法)」
http://www.imss.gob.mx/sites/all/statics/pdf/leyes/LSS.pdf

 

 清水皐

 

 

 

 

 

 

 

関連記事

ページ上部へ戻る