皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週はメキシコの労働組合について記載します。
質問)
メキシコ現地での労働組合の結成にはどの様な条件があるのでしょうか。また、労働組合はどの様な役割を主に担うのでしょうか。
回答)
メキシコは労働者保護の観点が強く、労働組合が非常に力を持っています。
従業員には労働組合を結成する権利が認められており、また、一企業における労働組合ではなく、職種別、産業別毎に、連合を結成することについても法律上認められています。
組合の結成に必要な人数は20人であるため、参加人数が20人未満の場合は、メキシコ労働組合連合(CTM:Confederacion de Trabajadores de Mexico)や労働者全国連合(UNT:Union Nacional de Trabajadores)等の連合に加盟することが可能です。
メキシコの法律には、労使間での紛争の際には、解決のための斡旋仲裁委員会を設けなければならないという条項があります。この斡旋仲裁委員会は三者構成となっており、正当な対話ができるように法的枠組みが整えられています。
この斡旋仲介委員会の中での労働組合は、国が押しつけようとする労働者に不利な経済政策の実施を阻止すること、また、労働者からの申し立てについて有利な合意を得ることなどをその役割としています。
メキシコの労働者保護については、この労働組合によって成り立っているといっても過言ではなく、事実、この斡旋仲介委員会には、労働者からの申し立てが過去に1万7367件取り上げられており、その内88%は労働者に有利な決定がなされているのです。