労働協約の内容について

こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。

今週は、メキシコにおける労働協約の内容について記載致します。

 

質問)

労働条件を定めるとされる労働協約ですが、雇用契約とは異なるものなのでしょうか。

また、雇用契約とは異なる場合、同じような内容となる労働協約も作成する義務があるのでしょうか。

 

回答)

ご認識の通り、労働協約(Contrato colectivo de trabajo)と雇用契約(Contrato individual de trabajo)は、内容自体はほぼ同一のものとなります。

違いとしましては、雇用契約が雇用主と一従業員間で締結されるものであるのに対し、労働協約は雇用主と労働組合間で締結されるものであるという点がございます。この場合、雇用主及び労働組合は、複数存在していても締結が可能です。(労働法第386条)

ちなみに、メキシコ連邦労働法原文に記載されているスペイン語では、労働協約は「団体の労働協約」、雇用契約は「個別の雇用契約」という意味となります。

 

Artículo 386.- Contrato colectivo de trabajo es el convenio celebrado entre uno o varios sindicatos de trabajadores y uno o varios patrones, o uno o varios sindicatos de patrones, con objeto de establecer las condiciones según las cuales debe prestarse el trabajo en una o más empresas o establecimientos.

 

また、作成義務に関しましては特に定められてはおりませんが、

労働組合から求められたにも関わらず、労働協約の締結を拒否した場合は、

労働者側にストライキを起こす権利が認められます。(労働法第387条)

ですので、組合に加盟している企業であれば、必然的に労働協約を作成する、もしくは締結に同意する義務があると見なして問題ないかと存じます。

 

Artículo 387.- El patrón que emplee trabajadores miembros de un sindicato tendrá obligación de celebrar con éste, cuando lo solicite, un contrato colectivo.

Si el patrón se niega a firmar el contrato, podrán los trabajadores ejercitar el derecho de huelga consignado en el artículo 450.

 

ちなみに、労働協約の内容としましては、少なくとも下記10個の情報を記載する必要がございます。(労働法第391条)

1、両当事者の名前と住所。​

2、その者が所属する会社とその住所。​

3、当協約の有効期限。​

4、出勤日。​

5、休日。​

6、賃金額。​

7、労働者に対する訓練内容や規定。​

8、入社時や設立時に労働者へ与えられる​初期訓練内容や規定。​

9、労働法に基づいた委員会の統合と​運用上の規定。​

10、その他当事者間で合意された規定​

 

上記の内4~6の項目の規定がなされていない場合は、メキシコの法的規定が適用されることとなります。(労働法第393条)

Artículo 393.- No producirá efectos de contrato colectivo el convenio al que falte la determinación de los salarios. Si faltan las estipulaciones sobre jornada de trabajo, días de descanso y vacaciones, se aplicarán las disposiciones legales.

 

労働者保護の意識が強いメキシコでは、雇用契約と同様、労働協約の内容に関しても、雇用主である企業側に不利な条件となっていないかどうか確認をする必要がございます。規定内容に関しご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお問い合わせくださいませ。

 

*引用元「Ley Federal del Trabajo(メキシコ連邦労働法)」

クリックして125_220618.pdfにアクセス

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点

清水皐

 

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