メキシコでのM&A

 

メキシコでビジネスを行うにあたって、メキシコ現地に拠点を設立すると方法が一般的ではないでしょうか。事実、弊社にもメキシコ現地に法人を持ってメキシコ現地でビジネスを行いたいという問い合わせをよく受けます。
この“現地で法人を持つ”という方法ですが、最近では自社でゼロから会社を立ち上げるのではなく、M&A(企業買収)という方法を検討される企業も増えてきたように思えます。

 

メキシコで新規に会社を設立してビジネスを行うケースよりも、M&Aを実施してビジネスを行うケースの違いで最も大きなポイントは“時間”です。よく、「M&Aは時間を買う」ものだともいわれるように、既にメキシコ現地でビジネスを行っている企業を買収すれば、買収先のノウハウやそれまで培ってきたメキシコにおける販売ルートなどを手に入れることができます。メキシコで新規で会社を設立する場合は、メキシコのおけるノウハウや販売ルートもゼロから作り上げなければいけません。

 

さて、メキシコにおいて、M&A を行う場合には、複数の法規が関連してきます。そのため、各法律を横断的に理解しておく必要があります。 M&A に関連する法規には以下のようなものが挙げられます。特に、外国企業が注意しなければいけないポイントは外国投資法です。

 

【M&A に関連する法規】
外国投資法:外資の参入、外国企業の土地所有に関する規制を定める
商事会社一般法:会社形態や合併・分割といった組織再編について規定する
証券市場法:投資促進会社形態、上場企業株式取得時の各種規制について定める
競争法:自由競争を保護、促進するために、独占的行為や企業結 合について規定する

 

■外国投資法
メキシコへの外国直接投資の規制対象業種は、わずかな事業に限定されていますが、M&A による投資を行った結果、出資比率が外国投資法(Ley de Inversión Extranjera)の規制を超えるような取引は、そもそも認められません。したがって、まず対象業種が外国投資法の規制業種に該 当するかどうかを確認します。

>不動産取得規制
外国人および外国企業の土地購入は、規制地域を除き可能です。規制地域とは、国境沿い 1 0 0km と沿岸 5 0km 以内の地帯をいいます。

 

■商事一般会社法
商事一般会社法(LGSM:Ley General de Sociedades Mercantiles)は、日本でいう会社法に相当する法律です。商事会社の諸形態、株主・従業員の権利、組織再編や会社の清算等を規定した 連邦法であり、M&Aにおいても、他の法律に特別な定めのない限り、本法が適用されます。

 

■競争法
メキシコにおける独占禁止法は、経済競争に関する連邦法(Ley Federal de Competencia Económica;以下、競争法)です。どのような行為が競争法で禁止されるかを理解する必要があるとともに、同法の規定に従い、当局へ各種届出書の提出が必要となる場合もあるため、注意が必要です。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
黒岩洋一

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