こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。
今週は、メキシコにおける職歴やスキル等、履歴書上の詐称行為について記載致します。
質問)
技術職の人員拡充の為、新しく雇った従業員がいるのですが、
その者の職務経歴や資格情報に疑わしい点がございます。
もし、職歴等を従業員が詐称した場合、すぐに解雇させることは可能でしょうか。
回答)
メキシコの連邦労働法(Ley Federal del Trabajo)には以下の記載があり、
身分証明書や技能・能力に関する証明書を詐称した場合は、
その者を解雇しても雇用者側の責任は問われません。
Artículo 47. Son causas de rescisión de la relación de trabajo, sin responsabilidad para el patrón:
I. Engañarlo el trabajador o en su caso, el sindicato que lo hubiese propuesto o recomendado con certificados falsos o referencias en los que se atribuyan al trabajador capacidad, aptitudes o facultades de que carezca. Esta causa de rescisión dejará de tener efecto después de treinta días de prestar sus servicios el trabajador;
従業員が虚偽の証明書または能力、技能が不足しているにも関わらずそれに関する虚偽の参考文献を提示した際は、正しい証明書等の提示を求めた後、30日以内に労働者が提示をしなかった場合に、雇用主は責任を負うことなくその従業員との雇用関係を終了させることができる。
しかし上記のように30日間は証明書の提示を待つ必要がございますので、
すぐに解雇というのは難しいことと存じます。
また、その従業員がスキル等の証明書を詐称していたとしても、
問題なくサービス提供ができていると従業員が判断した場合や
資格等が採用条件に明記されていたと証明できる書類等を提示できない場合等は、
正当な解雇理由にならないとされ、解雇後に訴えられてしまう可能性もございます。
こういった事態を避ける為にも、採用面接のタイミングで
① 資格等の証明書は入念に確認する
② 実技チェックを行う
③ 実際その者が行っていた業務内容を前職の雇用主に確認する
等の対策をする必要がございます。
メキシコ人に限らず、経歴等を偽って面接を受ける者は一定数いますが
そういった虚偽を見抜く為、面接の仕方等も工夫すると良いでしょう。
弊社東京コンサルティングファームでは、労務サポートの一環として
人材のご紹介も行っております。
ご紹介前にはスキルチェック等のスクリーニングも弊社で行うことが可能となります。
急に従業員が辞めてしまった、業務拡大の為人員を確保したい等
人材に関してお困りごとがございましたら、お気兼ねなく弊社までご相談下さいませ。
清水皐
*引用元「Ley Federal del Trabajo(メキシコ連邦労働法)」
https://www.juridicas.unam.mx/legislacion/ordenamiento/ley-federal-del-trabajo#31734