メキシコでは、前年度の法人所得税(法人税)を3月31日までに申告・納付しなければなりません。普段、営業や製造などの業務で忙しく、細かい数字のチェックまでできていない日系企業の駐在員の方も、最終利益や税金の金額を確認すべく決算数値を目にするのではないでしょうか。
さて、このようなケースにおいて、よく日本人の方から質問される事項があります。
・内容のよくわからない費用がある
・自分が思っていた利益額(損失額)と違う
・税金(法人税)が多すぎないか
また、このような質問が問い合わせされるタイミングも決まっており、ほとんどが申告期限ギリギリになってから連絡を受けることが多いように思えます。そして、申告期限がギリギリということもあって、これらの疑問が解消(解決)されるのを待つことなく、法人所得税(法人税)の申告が行われてしまいます。
なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか。
一言で言ってしまえば、事前に確認をしたいなかったことが原因ではありますが、
通常業務を行いながら、数字の細かいところまでを確認することは難しいでしょう。
そのため、普段からどのような点をポイントに数字をチェックすればよいかを
以下にまとめてみたいと思います。
1 数字はストックだけではなく、フローで見る。
ポイントの一つ目は、
数字をストック(時点)だけではなく、フロー(流れ)で見る
です。
普段通りに営業活動を行っていけば、発生する売上や費用の金額が大きく変化することはありません。そのため、前月や前々月と比較して数字(金額)を見ることで、数字のイレギュラーに気付けるようになります。
2 雑費の中身を確認する
メキシコでは、日々の記帳段階から費用を“損金算入”or“損金不算入”に分けて仕訳記帳する必要があります。また、会計を担当するメキシコ人は、「会計は税金計算をするもの」という認識が強いため、究極的には「損金算入できない費用は全て一緒」という認識を持っています。そのため、どんな用途であろうと「雑費(損金不算入費用)」として処理をしてしまう傾向があります。
損金不算入費用は税金計算をする際には、益金(税務上の収益)を減らすことができません。そのため、会計上の利益から導いた法人税の金額よりも実際の法人税の金額が大きくなる要因となります。
メキシコは損金算入要件が厳しいので、正しい知識を持っていないと費用であるものの、損金算入できないこともあります。
株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
黒岩洋一
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