メキシコで新規に会社を設立する場合、設立をサポートしてもらう弁護士事務所やコンサルティング会社に住所を借りることが多いかと思います。それは、RFC(納税者番号:Registro Federal de Contribuyentes)を取得(登録)する際に必要となる住所の証明書が自社では用意できないことがほとんどだからです。
メキシコで住所の証明として認められるものは公共料金の明細(請求書)ですが、住所を証明するためには明細の発行先(宛先)が自社である必要があります。つまり、これから設立する会社宛の公共料金明細が必要となるのです。
卵・鶏の話ではありませんが、今まで存在していない会社宛の公共料金の明細を事前に準備することはできないため、先ずはサポートする会社から住所を借りて会社を設立し、その後、実際に活動を行っている場所での住所証明を準備できた段階で住所の変更を行うのです。
さて、この住所の変更ですが、2点ほど注意しておきたい点があります。
- 住所証明書の記載内容の確認
- 外資登録の更新手続
1 住所証明書の記載内容の確認
言い方がよくありませんが、メキシコの公共料金の明細の記載事項は適当なことが多いです。例えば、同じ住所であっても電気・ガス・水道・電話等によって記載内容が異なっていたり、そもそも全く違う住所や宛先、また郵便番号が記載されていることもあります。
そのため、先ずは正しい住所が記載されていることを確認する必要があります。この場合の“正しい”とは、公的機関(SATやIMSS)が区分している内容に合わせるということが大切です。
例えばRFC(納税者番号)として登録する住所は、コロニーや郵便番号などは選択制となっています。そのため、住所証明書に記載されている内容が選択肢以外の内容である場合、不一致ということで証明書としての効力を持たない可能性があります。
2 外資登録の更新手続
RFC(納税者番号)の住所を変更した外資企業は、経済省外支局での外資登録(RNIE:Registro Nacional de Inversiones Extranjeras)への届出を行わなければなりません。
外資登録(RNIE)は四半期と年度において、該当する事項がある場合は更新の届出を行わなければなりません(更新を怠るとペナルティが課せられます)。
RFC(納税者番号)の変更は四半期での届出事項に該当するため、変更日と届出期限を確認し、漏れがないように対応する必要があります。
株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
黒岩洋一
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