今回はメキシコの合同会社の機関設計に必要な要素のうち、執行役員・監査役についてお話します。
合同会社の業務運営は通常、社員が選任する1名以上の執行役員によって行われます。合同会社の執行役員は株式会社における取締役に近いポジションといえます。執行役員は社員が兼任することも、外部から招聘することも可能で、人数、任期についての定めもありません。また、社員総会によっていつでも執行役員を解任することが可能です(商事会社一般法74条)。
執行役員を置かない場合は、社員が自ら会社の業務運営を行うこととなります。
執行役員の人数についての制限はありませんが、執行役員が複数いる場合は通常、執行役員会を開催し、多数決で業務運営に関する意思決定を行うことになります。別途、定款上にて意思決定にはすべての執行役員の賛成を必要とする旨を定めておくことも可能です。
また、執行役員会において、反対票を投じた執行役員や意思決定に関わらなかった執行役員は当該意思決定についての会社に対する責任は追及されません。
一方、執行役員が会社の出資持分を棄損した場合、会社および債権者に対する責任として、その損害を賠償しなければなりません。ただし、1人で4分の3以上の出資持分を持っている社員が同意すれば、その責任を免除することが可能です(75条、76条)。
また、合同会社は定款にて、監査役を設置する旨を定めることができますが、これは任意であり、設置しないことも可能です。監査役を置く場合は、社員総会にて選解任を決議することになります。監査役は執行役員同様に、社員との兼任も可能であり、社外から招聘することもできます(84条)。
以上、お読みいただきありがとうございました。
なお、本記事は2019年11月時点の内容となっております。最新情報やより詳細な情報は弊社サービスのWiki Investmentをご利用頂きたいと思います。Wiki Investmentへの登録は、下記のリンクからお願い致します。