雇用主登録について

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。

今週はメキシコの雇用主登録について記載します。

 

 

質問)

新設会社の場合、商業登記(RPPC)を完了しなければ雇用主登録ができないと聞いています。商業登記の完了には登記から2〜3カ月もの時間を要するので、会社を作ってもすぐに現地スタッフを雇用することもできないのでしょうか。

 

 

回答)

一般的にメキシコで”雇用主登録”と日本語で言われているものについて、一度整理します。

※実は2つあり混同されることが多いですが、全くの別物です。

 

①外国人を雇用するための”雇用主登録”・・・・登録先:メキシコ移民局(INM)

②社会保険加入のための”雇用主登録”・・・登録先:メキシコ社会保険庁(IMSS)

 

①外国人を雇用するための”雇用主登録”

⇒Constancia de Inscripción del Empleador(直訳:登録雇用者の証明)

 

メキシコ現地法人が外国人(メキシコ国籍以外の者)を雇用するためのライセンスのようなものです。これがなければ、外国人へのVISA発行が行えないため、ほとんどの日系企業はこの登録を行います。

 

VISA取得申請プロセスに記載している”雇用主登録”はこのことをいい、商業登記(RPPC)が完了した後に申請をスタートできます。

 

②社会保険加入のための”雇用主登録”

⇒Tarjeta de Identificación Patronal(直訳:雇用者識別カード)の取得(登録)

 

メキシコ現地法人が従業員を雇用し、給与支払を行うにあたって必要となる登録

会社の社会保障制度への加入手続(登録)です。これを行わなければ、会社を通じての従業員の社会保険加入ができない、つまり、”外国人・メキシコ人関わらず”、従業員と雇用契約を結べないこととなり、給与としての支払ができないということになります。

 

【まとめ】

●外国人にVISAを発行したい(外国人を雇用したい)・・・①の雇用主登録が必要

●現地法人として従業員を雇用したい(給与を払いたい)・・・②の雇用主登録が必要

 

もし、現地法人がメキシコ国籍の者(現地メンバー)だけを雇用するのであれば、②の雇用主登録だけを行えばOKということになります。

 

一方で、現地法人が外国人を雇用し、給与を払いたい(=VISAを発行する)ということであれば、①と②の雇用主登録が必要となります。

 

 

 

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